★ 日日行行 (147)
* すでにツツジの花もちらほら。春の時間の進行は早い。すでに木々は「さみどり」の色に染まっています。
前回ブログからすでに半月あまり。あいかわらず忙しない日々。でも、なかにすてきな時間もある。この間の最大の出来事は、先週のことだけど、マヨルカの画家ミケル・バルセロの東京滞在でした。わたしが一冊の本(『ミケル・バルセロの世界』未來社)を献じた人が、奥さんお嬢さんとともに東京に来た。2020年に日本で、とうとう!かれの展覧会が開かれるらしく、その打ち合わせのためとか。「やったあ!」という感じですね。これほどの世界的画家が日本ではほとんど知られていない、それがやっと大きな展覧会が開かれる。嬉しいです。
かれらが東京に着いた日の夜に、青学の授業のあと、キャンパスにも近い居酒屋で奥さんのローズさんの誕生パーティ。そして、翌日には、今度は親密な雰囲気でエレガントな茶会と食事。こういう人と交流ができるというのは、ほんとうに幸福です。なにしろ、マヨルカ島のかれのすてきなお城のようなお宅に泊めてくれた人ですから、そんな人はほかにはいない。
先週は、そのあとに、本郷のEMPの授業もあり、またしてもNHKの「クールジャパン」の収録(今回のテーマは「ファッション・トレンド」でした)、忙しくしていました。
でも、そんななか、世界からの呼びかけもやってくる。韓国のヨンセ大学の白永瑞先生からは、この秋にソウルで行われる「美」についての国際大会へのお誘いが来ました。今年は、岩波の『思想』に「美」についての論考を書いたこともあり、青学の授業のテーマも「美」。こうなっては、受けないわけにはいかない。英語での発表というのに、わたしの頭がついていけるか不安もあるけれど、やるしかないですね。UTCP時代に結ばせていただいた「縁」がこのように続いていくことに、ほんとうの意味での「国際交流」を感じています。いつも言っていたことですが、「国際交流」は、組織と組織のあいだのことではない。あくまでもひとりの人間とひとりの人間とのあいだのこと、そのあいだに相互の深い尊敬と友情があってこそ、です。「ひと」と「ひと」のあいだに創造的信頼というものがなければならない。たんなる表面的な「交流」なんて意味ありません。そしてそのためには、時間がかかる。「長い時間」の成果なのです。それを耐えさせてくれるために、支援というものが必要なのです。そういう本質的なことを、文部科学省をはじめとして、行政機関はほんとうにわかっているのだろうか、といつも思いますね。
ほんと、「ひと」と「ひと」のあいだにしか、真なるものは起らない。
これは、ご案内ですが、
4月29日(日)午後2時から、表参道の青山学院のアスタジオ(246をはさんでキャンパスの反対側にあります)で、わたしが所属する総合文化政策学部の創立10周年を記念するトーク・セッションの第1回が行われます。また詳しくご案内いたしますが、わたしはトークのモデレーターとして参加する予定です。テーマは、渋谷表参道などの「都市」の再発見です。どなたでも入場できます。