破急風光帖

 

★   日日行行 (120)

2017.11.27

* 日帰りでしたが、今日、はじめて神戸に行きました。神戸大学での博士論文審査に審査員として参加したからです。提出者は、表象文化論の昔の指導学生だった平芳さん。アメリカ19世紀のファッション雑誌をとおして(わたしなりの表現ですが)「アメリカ的Ladyの成立」の文化史を追う研究です。

 彼女は神戸大学の教員ですが、家庭をもち二児を育て、そのあいだに研究を継続して、膨大な雑誌資料を現地にも行って調査。そのような長い時間の努力を博論にまとめたものでした。なかなかここまでやる人はいないので、それだけでも称賛に値します。元指導教員としては嬉しいことで、お祝いの言葉を言うつもりで出かけたのですが、それでもやはり「地」は出てしまうので、最後には、大胆な組み替えを提案したりとわたし流のクリティークをひとしきり。たぶん神戸大学のほかの審査員の先生方はあきれていたかもしれませんが、自分をあえて執筆者の立場においてみて、わたしだったらこういう方向を考える、こういうまとめ方を冒険してみると言ってみるのがわたし流ですね。(博論審査もこれがたぶん最後でしょう)。

 神戸大は、知らなかったのだけど、六甲山のケーブルカーのすぐ下にある、ということがわかって、少し早く着いたので、タクシーの運転手に言ってケーブルカーの駅に行ってもらい、そこからケーブルカーに乗って上に行き、そのまま降りてくるということをしました。ちょうど紅葉が見頃で、遠くには瀬戸内海が望めて、青空のもと、高低差数百メートルを味わうすてきな六甲の晩秋でした。わずか行き帰り30分でしたが。


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