破急風光帖

 

★   日日行行 (116)

2017.11.01

* 昨日は、東京オペラシティ・リサイタルホールで近藤譲さんのコンサート「七十歳の経路」.1975年の「視覚リズム法」から2015年の「変奏曲(三脚巴)まで8曲。近藤さんが長い時間、どのように存在しようとしたか、とてもよくわかって、深い共感をもちました。

 近藤さんにお会いするのも久しぶりでした。しょっちゅうつきあっていたわけではないが、ほぼ同じ世代、同じ文化圏のなかで、かれがあんなふうに独自の路を歩いているのを、いつも視界の端に見て来たというような「友情」というか、「同志」というか、そんな感慨が胸を横切ります。「持続」ということを思いましたね。「音」の持続でもあるが、生の持続でもある。わたしの生もまた、そう、「線の音楽」ですね。

 10月、あまりの忙しさに、ブログをアップする余裕もありませんでした。昨日もコンサートの前には、駒場で中島隆博さんを相手に、空海の「声字実相義」について喋ってみたり。前日の日曜は、嵐のなか豊田市美術館に行ってジャコメッティについて講演したり(ついでですが、この豊田市美術館のジャコメッティ展、美しい展覧会でした!)。なにしろ、10月は毎週末にNHKのテレビ収録や財団の面接の仕事があったり、さらには結婚式に出席とかで休みがまったくなく。さらにはエレガントな、素晴らしい茶会などもあって。
 変わって今月は、海外へと方向転換かな。科研の調査で南仏に行くことになっています。またブルガリアからは、ボヤン・マンチェフもやってくる(11月24日駒場でトークをしてもらいます)。
 そのように、わたしもわたしなりの「持続」を維持するしかない。たとえ嵐で葉が全部落ち、枝が削がれるのだとしても、なんとかまっすぐ突き立っていたいもの。November Steps are coming!


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