★ 日日行行 (110)
2017.09.26
* 「船出する! この浅い硝子の川をどこまでも渡り/溢れるばかりの光を汲み 無数の日々の破片を掬い/約束された再会へ ひそやかな歌の開花へ その出現へと」と書いているのは、なんと40年前のわたし自身。
刊行されたばかりの「未来」誌「秋」号、いつもの連載の戦後文化論だが、今回は、予定していたわけではないのに、筆が横滑りして、かつて瀧口修造さんのお宅を訪れて、ソネ形式の詩を渡したことを告白し、よせばいいのに、たまたま見つかったので、その詩まで披露してしまいました。70年までの文化論ではそうでもなかったのに、やはりどれほど若くても自分自身も舞台の隅っこにいた時代なので、客観性にはほど遠く、そのような「内部観測」抜きでは論じることができません。必然的に、自分が生きた貧しい「道化」的動きを思い出すことにもなる。なかなか複雑な、奇妙な仕事になってきています。自分がどうつくられたのか、少しわかるような気がしてきます。
今日は、国立新美術館での安藤忠雄展のオープニング。安藤さんもまた、70年代以降の文化のひとつの星でした。いろいろなことがあったなあ、とこれもまた感慨深いオープニングではありました。