破急風光帖

 

★  日日行行 (80)

2017.04.02

* 今年の櫻は遅いようで、自宅近くの駅前では例年通り「桜まつり」が行われていますが、花は五部咲きくらいでしょうか。

 青山学院のシンポジウムでは、最後に登場して、俳句という「短文の文学」をフランス人たちに解説しましたが、そこでは芭蕉の「命二つの中に生きたる櫻かな」の句も取りあげました。もっともそのすぐあとに、発表の「オチ」として「短文や花咲き散って櫻かな」という駄句も掲げておきましたが。学術発表の場で冗談をのせて「サゲ」るというパフォーマンスに、ゲストたちは若干、驚いていたみたいでした。(なにしろ、Haïku, coup d'humeur ですから。)ともかく、思い返せばあちこち飛び回ってかなり激しかった、わたしの「1年(2016年度)」の個人的「オチ」にはふさわしかったかも。
 で、あけて4月。これまで2年間つとめてきた、駒場のIHSの特任研究員は、原則あと1年だけいままで通り続けさせていただくことにしましたので、青山学院の特任教授とあわせて、生活の基本には変化がありません。その上で、去年刊行の『絵画の冒険』は、駒場時代の(提出が遅れた)「宿題」であったので、今年こそ、その先へと新しいエクリチュールの道を見極めなければならないのですが、いろいろ迷いもあり、ぼんやり見上げる春の空、少し霞んでいます。
 ただ、外へと出ていく仕事を減量して、内側の荒野へと降りていく時間をもう少し確保しなければ、と年度はじめの自分への約束です。
 


↑ページの先頭へ