破急風光帖

 

★ 日日行行 (62)

2016.11.04

 すでに11月に入りました。先週末に、福武財団の助成の選考委員長をつとめさせていただいている関係で、瀬戸内芸術祭を一部見学し、助成の成果発表の会に出席してきました。

 そのために、羽田空港で搭乗をまっているあいだに、思いがけず、ちいさな風が吹いて、それをつい、秋のbilletとして投げあげてしまいましたが、続きがあるのだけど、まだそれに集中する時間がありません。第4クオーターはまだ半分残っているので、今夜の下北沢でのイベントの準備も、来週のソウル講演の準備もある。でも、この小豆島、豊島、女木島の滞在は、秋らしい素晴らしい天気にも恵まれてとても素敵でした。心に残る旅でした。とりわけ、小豆島のリー・シュンロンの作品から豊島のクリスチャン・ボルタンスキーの作品(「ささやきの森」)へのつながりが、わたしのなかに、なにか深いエコーを響かせたのですが、それは、また、Billet のほうで書くこともあるでしょう。
 日曜に瀬戸内から戻って、月曜は、フランスの出版社の社長二人とともに講談社を訪れ、火曜には、朝日カルチャーセンターで「バロック」の話をし(はじめてルーベンスの絵を解説したりしました、自分でもびっくりです)、翌2日は、午後は、青山学院のラボの2,3年生とともに、六本木の21-21デザイン・サイトで佐藤卓さんオーガナイズの「デザインの解剖」展を、解説つきで、見学させてもらい、夜は、同大学院の授業で宮沢賢治の「風の又三郎」をめぐっての討論と続きました。そして、今日は、一方では鮎川信夫の詩を読みつつ、他方では、「草」の美学をめぐる講演を準備しています。これらを無事にこなせれば、第4クオーターの終了。ようやく静かな晩秋がはじまるはず!です。そうですよね?
 


↑ページの先頭へ