破急風光帖

 

★ 日日行行 (60)

2016.10.14

*水曜に福岡から戻り、青山学院の授業、翌日が駒場でIHSの授業、そして今日、本郷でEMPの授業とこなして、ようやく第2クオータ−が、ということは、前半戦が終了しました。

 福岡では、「風の東西」の2室の展示を行うことからはじめたのですが、翌日の、西南学院でのトーク、続く福岡アクロスでの講演となんとか無事にこなせたと思います。でも、これもいろいろな方々の友情に支えられてのこと。そのなかでも、なんといっても、天神のギャラリー『風』の武田さんには、ほんとうに支えられました。「風」だから、という理由だけで、イレーヌ・ボワゾベールさんとわたしの共作ということになっているアーティスト・ブック『風』の展示をやってくれないという無理難題に応えてくださって、その展覧会を天神ビエンナーレのなかに位置づけてくれました。そのおかげで、わたしも自分の著書『絵画の冒険』をめぐって、福岡アクロスの円形ホールで講演することもできました。わたし自身が、暴風のような「風」であったことは自覚していますが、その「風」をゆるしてくださった。ありがたいことです。そして、その機会に、西南学院の学生さんたちと、イレーネさんたちとの対話の会をオーガナイズしてくれたのが、かつて駒場にいた西山達也さんと森田團さん。学生のみなさんが、質の高い質問を出してくれることで、会全体がたいへんおもしろくなりました。通訳しながら、楽しかったですね。そのような、フランス語で言えば、passeurということになるのか、境界を超えていくという活動が、まあ、わたし自身の持ち味として発揮できたように思います。教師という仕事がこういう喜びを、あとから、もたらしてくれるということにも、わたし自身とても感じ入りました。
 しかし、その福岡の巡業を経て東京に戻ると、トポス的分析、意識と脳、民主的理性の彼方へ、というような授業が続いて、しかもその合間に、原稿を書き、プライヴェートな問題もないわけではないとなると、いささか荷重オヴァーなのですが、みなさまの協力を得てなんとか切り抜けました。この週末は少しだけ休息させていただいて、来週からの後半戦に備えるつもりです。
(ギャラリー「風」の展示です。1)黒田アキさんの「風」(ヴァレリー、マラルメ、ランボーの詩)、2)イレーヌ・ボワゾベールさんの「風」とほかの作品群


IMG_0196.JPG


IMG_0203.JPG


↑ページの先頭へ