破急風光帖

 

★ 日日行行 (48)

2016.07.10

 前回のブログでご案内した青山学院における学生イベント「告知の庭」ですが、やはりわたし自身が冒頭でダンスをしてしまいました。

 予告されていたわけではないので、お客様はとてもびっくりしたのではないか、と思いますが、開演で暗くなって、背景にフラ・アンジェリコのあの「受胎告知」の絵が映し出されると、わたしの去年の学生だった山本綾香さんが舞台に一茎立つ白百合の傍の椅子へ。バッハ/グノーの「Méditation」がマイスキーのチェロで流れると、下手舞台から、手が出たかと思うまに、一応、大天使ガブリエルという見立のもと、白のスーツに赤のTシャツを着た、66歳老教授が踊り出るという仕掛け。繰返しにはいったところで、ラテン語でAve Maria Gratia Plena...と祝詞を言うという運びにしました。アイデアが浮かんだのが2週間ほど前。1週間前もまだ迷っていたのですが、先週の月曜に、えい、やってしまえ、と決意して、毎日、2、3回練習していました。といっても、厳密に振り付けをきめるのではなく、即興をささえるいくつかの語法を発見する努力なのですけど。うまく行ったかどうかは、自分ではわからないけれど、当然ですが、静かなテンションを最大化させて踊ったつもりでした。リハーサルのときよりは、本番のほうが、踊りが大きく、また最後の形もきまっていた、と学生に言われたのが嬉しかったかな。
 わたし自身にとっては、こういうことは、けっしてなにか趣味とか余興のようなものではなくて、ある種、奇妙な「修行」の一環という積もりなのですけどね。他者の眼には、老狂と見えるのかもしれません。But I don't care.
 (でも、この青学の本田記念国際会議場の舞台、小さいけれどゆったりしてて、とても踊りやすく素敵で、またやりたい、と思いましたね。困ったことだ!)
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