★ 日日行行 (44)
2016.06.19
岡本和夫さんとのトークは、EMP同窓会報のためのものでした。2ページというから仕上がりは短いものですが、わたしとしては、ひさしぶりだ、とアラン・コンヌ『非可換幾何学入門』、キースラー『無限小解析の基礎』、そして齊藤正彦『超積と超準解析』のトリコロール3冊を用意してもっていったのでしたが・・・
思ったとおり、こちらの思い通りには事は運ばず、岡本さんのバック・グラウンドがじつは儒教なんだよねえ、というような秘密から、数学とは何か、みたいな話しになりましたかね。超準解析は、じつは、あまり新しいものを生み出さなかったんですよ、と言われて、わたし、かなり入れこんでましたので、ちょっとショックかな。こちらは、時空というか、世界の本質的量子性みたいな方向に考えようとしているのですけれどね。でも、楽しくお喋りをして、みなさんとワインも楽しみました。やはり朋ありではあります。
閑話休題ですが、今週はとうとう、長年というのもおこがましい、20年以上の時間がかかってしまった、表象文化論講義の教科書がいよいよ出版されます。嬉しいというか、長年の重荷をようやく肩から下ろせた感じがします。この本は、「絵画の冒険」とタイトルがついていますが、美術史の本というよりは、まあ、世界を読解するための鍵のいくつか、なんですけどね。わかってもらえるかどうか、少し不安です。
どうか書店でみかけたら、手にとってみてください。口絵16ページ分を眺めていただけると、どういう本なのかがわかると思います。