★ 日日行行 (35)
4月、シリーズのような海外からの研究者との対話の最後を飾るのが、ドミニック・レステルさん(パリ高等師範学校)。だいぶ前から来日していて慶應大学でもトークをなさったりしていたようですが、こちらの体調がイマイチだったので、お会いするのを延ばしていましたが、先週23日の土曜にようやく会って食事をともにしました。
かれはあいかわらず精力的な活動ぶり。ふたりの共通の研究課題である「見えるものと見えないもの」(ただしこれは、メルロ=ポンティ的な現象学ではなく、精霊的・幽霊的・心霊的ほかどのように呼んでもいいのだが、異界的なものの哲学的了解の可能性についてです)、かれのブラジルでの体験なども含めて議論しました。こちらも最近のバリ島での経験を少しだけ語ったりもしました。量は多くはないけれど、旬の筍や鰹とともに、おいしいお酒でしたね。
そのうちに、大学の外に哲学のノマド的なスクールのような場をつくる構想に話が及び、かれは、それをバリ島、南仏、さらにはブラジルないしペルーでやりたいというような願いを語りはじめました。かれ自身、最近では、哲学という立場から、デッサンや絵画などの展覧会もやっているとか。かれの哲学を特集したイギリスの雑誌には、哲学的主題でBD(漫画)も描いたとか、なかなかおもしろいことを言う。さすがわたしの友人らしく「異端」ですね。でも、世界どこでも大学という制度は、制度疲労を起こしているようにも思われるので、力強い「異端」は歓迎です。話ししていて楽しいし、刺激がたくさん来る。わたしもまさか絵は描きませんが(あまりにもヒドイ!)、なにかしなければ…あっ、ダンスがありました。が、最近は、3月の不調以降、踊る体がもどってはきていません。一昨日、ようやく清水靖章さんのゴルドベルクに少し体が反応しはじめましたが。この連休中に取り返さなければ!