破急風光帖

 

★ 日日行行 (29)

2016.04.02

すでに年度が変わって4月。櫻も満開。前回はパリでアップしたのでしたが、その後、ベルギーでテロが起き、それと同時に、(昨年11月のパリのテロのときもその日から10日間ほど不調になったのでしたが)、咳も出て、体調は低下。パリからは24日に帰国したのでしたが、寝込むほどではなくて、やるべきことは日々、こなしているの(26日にはNHKの収録もありました)のだけど、気持ちがついていかなかった。

 パリでの友人のミケル・バルセロのダブルの展覧会(ピカソ美術館/国立図書館)とか、キーファーの展覧会(ポンピドゥーセンター)とか、語りたいこともあるし、帰国してからも、フランスから、かつて2009年だったか、UTCPでも講演をお願いしたMurielle Hladikさんが訪ねてきてくれたり、その翌日は、イタリアの若い学生が日本哲学を学びたいと言ってやってきたり、いろいろおもしろい出来事もあったのですが、またいつかチャンスを得て、語ることにします。
 ともかく、今日の時点では、定年してぴったり1年間の時間をすごして、みなさまのおかげで、多様なアクティヴィティは維持しながら、しかし組織に対しての大きな責任を感じることなく、「楽な」気持ちで1年をすごせた、あるいは生まれてはじめてかもしれない、その「とっても耐えられる存在の軽さ」の感覚を、感謝とともに、記しておくことにしましょう。
 これからの1年は、その「軽さ」をどう使うのか、が本格的に問われることになるのでは、と思っています。このブログの書き方も少し変更を加えてみようかな、と思ったりもする。とまれ、今日のところは、この間の空白の言い訳をしつつ、新しいサイクルを回すという決意を表明しておくことにします。
(サムネイルの写真は、ミケル・バルセロが国立図書館の、195×6メートルのガラスの壁面に描いた壁画の一部です。かれはこれを12日間で描いたと言っていました。すごい、の一言しかありません)。


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