破急風光帖

 

★ 日日行行 (24)

2016.02.27

 バリ島から帰って、その週末は毎度のことながら、NHKの「クール・ジャパン」の収録。今回は「制服」がテーマでしたが、それをこなして、21日にはまた飛行機に乗って福岡へ。九州大学の言語文化研究院に招かれてシンポジウム「今、振り返るモダン、ポストモダンーーメディアと物語」に出席し発表しました。

 主催者の阿尾先生からの依頼で、わたしは「表象不可能なもの」について語れということで、古典主義からモダンに至る歴史のなかに現れる表象不可能性を、第1種から第3種まで三つにわけて概観するという、どうも教育的な発表になってしまいました。でも、表象不可能性について真っ正面から語ったのは、はじめてのことかな、次回はそれを踏まえて、もう少し尖った話しができるようにしたいです。しかし、いまは、情報によって、表象があまりにも凡庸化してしまった時代、ここでどのように「不可能性」を見出すかは、結構、大きな問題かもしれません。
 日曜でしたが、かつてUTCPという場でいっしょに議論しあった、西山達也さんとか藤田尚志さんとかも来てくださって、シンポジウムのあとの懇親会にも参加してくれました。アカデミックな場での再会っていいもの、いや、ありがたいことです。
 翌日は、博多天神のギャラリー「風」のオーナー武田さんとお会いして、この秋10月に行うフランス人アーティスト(とわたしの共作)の展覧会の打ち合わせをしてきました。
 なんだか、忙しい2月です。入試や論文審査というものがなくなって楽なはずなのに!今日もこれから本郷キャンパスでEMPのセミナー。「意識」をめぐって、自然科学者たちとの「対決」!です。合間にこの春、未來社から刊行予定の『オペラ戦後文化論』の校正をしています。


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