破急風光帖

 

★ 日日行行 (17)

2016.01.23

★ この週末、またもや雪の天気予報が出ていますが、昨日、駒場の庭で、白梅が一輪咲いているのをみつけました。101号館の前の白梅、毎年、ここがわたしにとっての春の最初の予兆を感じる場所です。春遠からじの早春賦です。

 しかし、この1週間はなかなかハードな週でした。16日は、福武財団の助成選考。ずっと選考委員長をつとめさせていただいているのですが、今年も、予備選考を通った40件あまりの書類を審査して助成の可否を決めていく作業。神経を使います。オーナーの福武さんも来てくださったので、久しぶりに楽しく会話もできました。
 ついで20日は、このブログでもお知らせしたとおり、日比谷図書館で上廣倫理財団の主催による読書をめぐる講演会。3回連続の第1回でしたが、ネットにあふれる情報とはちがって、本こそが、まさに読む者の想像力を発動させるということを、寺山修司さんの作品を材料にしながら、述べました。終ったあとに、わたしの本のサイン会も行われたのですが、10名以上の方が本を買ってサインを求めてくれました。ありがたいこと。
 そして昨日、22日は本郷でEMPの講義。フランス現代哲学の展望を通して、「わたしの哲学」がいまどういうところにあるか、を語ったつもりです。その後は、松岡心平さんと観世清和さんのEMPサロンにゲストとして招かれて、観世さんが特別に見せてくださった観世家秘蔵の赤鬼・黒鬼の面(うつし)におののいたり、最後にはみなさんと、めでたく「老松」を謡ったり。素敵な時間をともにさせていただきました。お家元のすぐ横で謡を謡うなんて・・・。でも、それでお開きではなく、その後もEMP受講生のあるチームの方々と、医療を軸にして、現代文化の臨界状況についてディスカッションを展開という1日でありました。
 そうそう、19日は松浦寿夫さんのお誘いで、ローラン・カバッソのピアノでディアベリ変奏曲ほかを聴きました。フランス的なタッチのピアノ。正直言うと、わたしはディアベリはちょっと苦手なんですが、楽しませてもらいました。
 2016年もまた、こうして貴重な楽しさを襞のようにふくみつつ、激しくスタートしています。(なお、梅の写真は、立石はなさん。前回のわたしのダンスの写真も彼女の撮影です)。


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