破急風光帖

 

★ 日日行行 (11)

2016.01.06

頌春。
あけましておめでとうございます。
山形に行って「紅花」をテーマに詩を読み、駒場の大学院生2名のダンスの合間を縫って、わたしも多少のパフォーマンスをしたのでしたが、それ以降、ブログを更新していませんでした。まずは新年のお歓びをもうしあげます。(遅れをとりもどすべく、しばらくブログの更新にはげみます)。

昨年は、わたしにとっては、「定年」という大きな転換の年。この人生の大きな区切りをあらたな出発と位置づけようとつとめたつもりでしたが、みなさまのおかげで、わたしとしては、なんとか「出発できた」と思っています。もちろん、「転換」はまだ半分で、今年がその「完成」となるのだと思いますが、ここまでは、きわめてポジティヴな変化を生きることができたと考えています。
 (この「出発」への意志については、12月末に刊行された未來社の季刊誌「未來」にエッセイを寄せていますので、お読みいただければさいわいです。昨年度の冬学期に行った「現代哲学」の講義、最終講義、そしてそのあとのダンス・パフォーマンスについて、わたしの思いを書いています)。
 その「出発」の決意を受けて、今年は、それを少し新しい方向へともっていきたい。そう願っています。それがどのような方向か、はいずれ少しづつ明らかになってくると思います。今年は、長年の「宿題」であり「宿願」であった「絵画論」の単行本が刊行にこぎつけることができるはず。はじめは表象文化論の教科書として構想されたものでしたが、なんと最初の構想からは20年も経ってしまいました。ここ2、3年、なんとか定年前に刊行しようとがんばったのでしたが、それがかなわず、東大を辞めてからの刊行になるわけですが、積年の宿題をようやく果たせることができてはじめて、ほんとうに「定年」ということになるのだと思います。
 もうひとつ、「未來」誌に連載していた日本の戦後文化をオペラ仕立てで論じた論を、まずは、1945年から1970年までの時期をカヴァーする第1オペラとして、今春には、一冊の本にまとめて上梓できる予定になっています。
 さあ、その後に、どういう方向に向かうのか、それが問題です。その蹌踉の歩みについては、このブログでも報告をアップさせてもらうつもりです。
 
 


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