破急風光帖

 

★ 秋の旅日記(2)

2015.09.10

★ で、現在はロンドンです。朝、7時半、頭上には青空が広がっています。寒いと言いたくなる気候。街を行く人たち、はやくもコートを着ている人たちもいます。秋、秋、秋。昨日は、Oxfordからそう遠くはない、チャーチルゆかりのBlenheim城にまず。広大な敷地に壮大な城と人工風景が展開する空間ですが、素晴らしいが、わたしにはちょっと退屈。

 それよりも、午後に行った、今度はウィリアム・モリスゆかりKelmscott Manorにとても心動かされました。小さな田舎の石の家屋。モリスがつくった織物や壁紙などももちろん飾られているのですが、ある種の「生活の思想」のピュアな形があることに心動かされます。もう一度、この問いに戻らなければならないのではないか、とか、小さな渓流の傍の林檎の樹と柳の樹の横で考えてしまいます。今回は、大石先生の素晴らしいアレンジのおかげで、イギリスのヴィクトリア期の文化の本質に少し迫れるような気がしてきました。これを、英仏の比較の複眼を通して理解することが、文化理解の次元を拡げます。バスのなかでの大石先生との対話も有意義でした。今日もモリスの足跡を訪ねるツアーにやはり同行しようかな。


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