破急風光帖

 

★ 風光三昧 (10)

2015.09.03

★ 暑かった夏も終わり、いよいよ秋。若きランボーは、二十歳くらいだったので「もう秋か」でしたが、65歳のわたしは、「いよいよ」あるいは「とうとう」本格的な「秋」と呟かないわけにはいかない。Enfin l'automne!というわけです。

 この季節が与えられたことを、わたしとしては、密かに喜んでいるというか、いや、それだけではなく、ある覚悟をもって臨まないわけにはいかない。もちろん、「まだまだ前夜だ」ではあるのですが。
 この1周間は、いつもながらのNHKのクール・ジャパンの収録(テーマは「喫茶店」でした)があり、東大のEMP関係の講義があり、さらには、ほぼ本文のめどがついた美術論の教科書(現時点では、『絵画の冒険ーージョットからウォーホルまで』という仮題がついています)の査読をお願いする会食の会など、「残暑」いよいよ厳しく、という感じでありました。しかも、それはまだ終わらない。今週末は、朝、本郷キャンパスでEMPの講義のあと、そのまま越後湯沢へ。選考委員長をつとめる福武財団による「大地の芸術祭」越後妻有アートトリエンナーレの見学に参加。1泊したあとは、そのまま羽田空港近くのホテルに泊まって、月曜早朝に、今度は、わたしが研究員ということになっている東大のIHSのプログラムでイギリス・オックスフォード/ロンドンへの旅に出ます。帰るとすぐに、対馬のアート・フェスティバルにも見学に行く予定になっていて、はたしてわが老体はもつのか。(しかも、その旅のあいだに、短いエッセイを2本書かねばならない)。まだ、「野ざらし」を心に抱くところには遠いのですが、「残暑」なれど、しかし暦は「秋」と呟きながら、右往左往をすることにいたします。

 今回は少し趣きをかえて、日々雑記の風光です。旅先からも報せをアップすることを試みてみますね。
 


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