破急風光帖

 

★ 朋朋偶来(2)

2015.08.12

★ 今週の月曜に、かつてUTCPでVisiting Professor として1年間滞在してくれていたリチャード・レイタン先生(ランカスター大学)が、香港からの帰途の東京滞在中に、駒場を訪ねてくれました。いっしょに昼食をとりながら、エコロジー問題についての議論も。こちらは石牟礼道子さんの話をしたりして、かつて宮本先生が編集なさったUTCPの研究論集を手渡したりしました。

 このように、海外の研究者が、日本に立ち寄ったときには、かならず連絡してきてくれるような、つねに開かれた場をつくることが、UTCPのひとつの目標だったので、わたしとしては嬉しい限りです。このような「オープンな受け入れ」の場がどうしても必要です。東京大学が、哲学あるいは人文科学の分野でそのような施設を設けることを、わたしは、中嶋隆博さんとともに、本部執行部なども含めてずいぶん働きかけを行いました。高等研究所設立のプラン募集にも応募したりしましたが、結局、それは実を結びませんでした。ほんとうの意味で開かれているような「思考と対話」の場がこれからはますます必要になってくると思うのですが、今後、東京大学はそのような開かれた場をどのように構築するつもりなのでしょう。いささか心配なこの頃です。


 

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