破急風光帖

 

★ 風光三昧(3)

2015.06.05

★ 今週は梅雨の前の青空のイメージかな。
月曜には、わたしが選考委員をつとめている、シャンパーニュ委員会のLa joie de vivre(生きる歓び)賞の授賞式がありました。千住博さん(画家)、明さん(作曲家)、真理子さん(ヴァイオリニスト)の芸術三兄弟が受賞者でした。わたしは乾杯の発声を頼まれて、咄嗟に、日本語で「かんぱーい」と言うよりは、フランス大使公邸なのだから、全員フランス語で行こうと提案、みんなで「La Joie de vivre!!!!!」と叫んだ次第。joieという言葉の一音節の爆発力に、「よ・ろ・こ・び」という日本語の母音が流れる音にはない響き(意味!)を感じてもらいたいというのが、わたしの趣旨だったのですけれど…‥

★ さらに仕事があって大阪に出張した帰り、1晩京都に滞在。友人たちと鮎の「聖地」(比良山荘です)に行ったりしましたが、メインの目標は、翌日に、信楽のMIHO MUSEUMを訪れること。6月7日まで開催のバーネット・ニューマンの展覧会をどうしても見なければ、という思いでした。もちろん、ニューマンの作品(イエスのあのVia Dolorosaの苦しみを自分の問いとして引き受けようとする壮絶な作品)も素晴らしかったのですが、それ以上に、はじめて訪れたこの美術館の立地・建物、さらにエジプトほかの古代美術のコレクションにも感動しました。その後、湖南の古刹を1,2回って平安時代、いや、平安と奈良をつなぐミッシングリンクの時代の雰囲気を少しだけ味わいました。濡れるような緑の山、吹き抜ける風、琵琶湖の水面、文字通りの「風光」の体験。それにおつきあいいただいた友情の体験でもありました。


↑ページの先頭へ