まず『風』
2015.05.15
★ 新しい季節の最初のIndexは『風』。じつは、これは、3月にフランスで出版された画集。Irène Boisaubertさんという女性アーティストの豪華アート本なのですが、扉をあけると驚くことに、わたしの名が。というのも、テクストの選択を受け持ったのが、わたしだったのです。2012年の秋、わたしはパリのコレージュ・ド・フランスで日本の戦後文化について5回の講義をしました。その最後の講義が終わったときに、声をかけてきたのがSchmidt さん、かれの発案で、日本の詩歌とIrèneさんとのコラボレーションで本をつくりたい、と。それに対して、しばらく考えて、わたしが提案したのが「風」という主題ではどうか、というもの。それからずいぶんと時間が経ちました。いろいろ曲折もあったけど、今年、とうとう和紙に綴織のように彼女のイメージと日本の詩歌の仏訳が重なりあう豪華な本ができました。日本の文化に対するかれらの「愛」に答えるべく、日本のどこかで、小さな展覧会ができないかなあ、と考えている次第です。