2019年12月24日(火)に、第5回「障害と共生」研究会が駒場キャンパス101号館にて開催された。今回のテーマは「禅と癒し」であった。研究会では、はじめに、田中慎太郎(UTCP/特任研究員)さんに研究会テーマについて導入を行っていただいた後、発表者である東島宗孝(慶應義塾大学社会学研究科後期博士課程)さんに、ご研究内容についてお話いただいた。以下は、田中さん、東島さんからの報告である。

 はじめに、田中が、東島さんの発表に先立ち、現代社会における仏教のあり方について、主に第二次世界大戦後の欧米社会におけるアジア仏教の欧米化や、臨床心理学における瞑想を用いた心理療法の発展の概要について述べた。

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 続いて、東島は『坐禅と「解放」』というタイトルで発表を行った。その中で近代以降「禅」を取り巻く様々な文脈(「修養」「新霊性文化」「(臨済)宗学」)から坐禅が捉えられてきたことを踏まえた上で、現代の坐禅会で坐禅と「解放」がどのような点で結びつけられているのかという点を聞き取り調査の結果から検討した。そして坐禅と「解放」という概念の結び付き方は多様であり、背後にある文脈の絡まり合いを捉える必要性を論じた。
 
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 ディスカッションでは、今回参照した3つの文脈の妥当性、参与観察の意味、個々人の背景を考慮しすぎる危険性、禅宗内の利他―利己概念の再検討の必要性など非常に鋭いコメントをいただき、今後の研究への示唆を得ることができた。

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(報告:田中、東島)