ブログ 2018年11月

2018.11.30 Permalink

 2018年8月4日(土)、こまば当事者カレッジ2018年度夏期コース第5回「クロージング・ワークショップ:当事者、家族、支援者による認知症当事者研究」が開催されました。

 2018年度夏期コース「認知症を考える」では、第1回から第4回までに、当事者、医師、支援者、研究者など様々な立場で「認知症」と関わっていらした方々に、講師としてご登壇いただきましたが、本コースの最終回である「クロージング・ワークショップ」では、参加者の方々に認知症に関連するテーマでの当事者研究をご発表・聴講いただきました。
 イベント開催前に、予めホームページやメールなどで参加者と発表者の募集を行い、当日は当事者、支援者、ご家族などのお立場の方々4名が当事者研究を発表してくださいました。発表者の皆様は、当日のサポーターとしてお招きした斉藤剛さん、中村あえかさん(レジネス)と、白江香澄さん(ふらじゃいる)のファシリテーションを受けながら、聴講者の方々とのやりとりも行いつつ、ご自身の研究についてお話ししてくださいました。
 その一部を紹介すると、例えば、いくつかの当事者研究の中では、「家族との関係性」が話題に上がりました。ある当事者研究では、家族を介護する、あるいは家族に介護される状態になった時、距離を置いた関係を築くにはどうすればいいか、ということが話されました。家族との間ではわがままが通るので、つい感情的な関係になってしまいがちだが、愛情に翻弄されない関係を作るために事前にできることはないか?という問いが共有されました。また、別の研究では、今回初めて当事者研究を行なったという方が、これまでなかなか話せなかった思いを言葉にしたことで、ご自身の根底に「母のために何とかしないと」という思いがあったこと、そしてお母様への愛情にも改めて気づけたという感想を寄せてくださいました。
 4名の当事者研究は、人数の都合上、2部屋に分かれて行われましたが、ワークショップの最後には一つの部屋に参加者が集まり、車座となって当事者研究の感想を出し合いました。様々な立場の違いをこえて、認知症に関する豊かな対話が実現した貴重なワークショップとなりました。


DSC01400.jpeg


(報告:石渡、高村、山田)


※本報告文は、内容に関係する発表者に確認していただいた上で報告文を掲載しています。

2018.11.20 Permalink

 2018年7月21日(土)に、こまば当事者カレッジ2018年度夏期コース「認知症を考える」の、第4回が開催されました。第4回は「介護現場からの問い」と題して、堀田聡子さん(慶應義塾大学)と金山峰之さん(ユアハウス弥生)を講師にお招きし、レクチャー&ワークが実施されました。

 今回は内容の構成上、初めから5名ずつのグループに分かれてご着席いただき、レクチャー&ワークを交互に織り交ぜながらの、あっという間の4時間でした。

20180721_summer_college4_pic2%20%282%29.jpeg


 はじめに、堀田さんが「自己紹介と認知症に対するイメージ」と題したアイスブレイクを行い、その後「認知症の人が働くこと」についてレクチャーをしてくださいました。続いて、金山さんからは、「認知症の方の歴史」についてのお話をいただき、その後「自由で安心できる環境作り」がモットーのユアハウス弥生の「日常生活」についてのご紹介をいただきました。


20180721_summer_college4_pic3%20%282%29.jpeg


 最後に、お二人からのレクチャーを踏まえ、リフレクションが行われました。受講者からは「働かなくても、ただいるだけで社会に役立っているのではダメなのか」や「現代の社会政策上、働ける人は働くしかないのか」などの意見がありました。このようにみんなで考えて話し合う場所が必要だと改めて感じる機会となりました。(報告:澤田)


20180721_summer_college4_pic4%20%281%29.JPG

2018.11.18 Permalink

2018年11月11日(日)、こまば当事者カレッジ「生きづらさを考える」ワークショップが開催されました。

「生きづらさ」ってなんだろう?
こんなに「生きづら」いのはなぜ?
「生きづら」いとき他の人はどうしてる?

まずは3−4名程度の小グループに分かれ,「生きづらさ」について自由にディスカッションしました。すると,もっとみんなで考えてみたい「生きづらさ」が次々と湧いてきます。それを各々付箋に書き出しホワイトボードに並べてみると,

人間関係に関する生きづらさ
居場所に関する生きづらさ
自己理解し言語化する上での生きづらさ
生きづらさについてこれからなにをどのように学びあいたいか
という4つのテーマが浮かび上がってきました。


2018college_winter_ws_1.JPG


そこで,今度はそれぞれのテーマに分かれてディスカッションを行いました。どのグループの模造紙にも,盛り上がった議論の内容が文字やイラストになってぎっしりと詰め込まれています。たとえば,家族との付き合い方,どこにいってもなじまない自分,自分の考えをわかりやすく伝える難しさ,年齢や居住地と問わない学びの場がほしい気持ち,など。
ワークのあとは,各グループの議論を紹介し合い,感想や今後への期待・要望をシェアしました。互いの考えや思いを尊重し合いながらのディスカッションを通じて,気持ちの整理や様々な気づきが生じたようです。

(文責:馬場絢子)


2018college_winter_ws_2.jpg