2019年6月16日(日),2019年夏期コース「家族と子育てを考える」第1回「家族会議」シンポジウムが開催されました。 今回のイベントでは,向谷地生良さん(北海道医療大学・社)浦河べてるの家),向谷地悦子さん(社)浦河べてるの家),池松麻穂さん(社)浦河べてるの家),川村敏明さん(浦河ひがし町診療所)・川村和子さん,伊藤恵里子さん(浦河ひがし町診療所),広瀬りつこさん(浦河ひがし町診療所),泉祐志さん(浦河ひがし町診療所),大貫めぐみさん(あじさいクラブ),吉村明美さん(浦河町教育委員会),榊原いずみさん(浦河町ソーシャルワーカー),村田藍さん(ソーシャルワーカー),川西さんご家族(浜田知美 四国学院大学),江連さんご家族(江連麻紀 写真家),向谷地さんご宣明(NPO法人BASE・株)MCMedian)をはじめ,日本各地からたくさんの方にご登壇いただきました。 午前は向谷地生良さんを中心に,北海道浦河町および札幌のみなさまより,浦河での家族支援・子育て支援についてご紹介いただきました。 実際にサポートを得ながら妊娠・出産を経験し現在子育て中の「べてるの家」メンバーさんもビデオ通話を通じてご参加くださり,0歳のお子さんはなんと会場にお越しくださいました。 幻覚や妄想があっても安心して子育てができるよう苦労も成長も分かち合おうとするみなさんの活動は,参加者一人一人に子どもをもつこと・育てることを考える機会を与えたようです。
小学生のお子さんたちが家庭や学校で抱いた気持ちを言語化・外在化し,付き合い方を発見していく家族会議のプロセスは,非常に興味深いものでした。
特に若き研究者たちによる「正解を持っている人・聞きたい答えを聞こうとしている人がいると安心して話せない」との鋭い考察には,会場も感心の声に包まれました。
参加者は4人程度の小グループを組み,模擬家族会議もしくは本日の内容をふまえたディスカッションのどちらかを選びます。 事例を聞くのみならず実際に体験してみることで,困りごとを家族会議形式で扱うプロセスやこれに伴う感情体験が鮮明になったようです。 べてるの家を中心とする取り組みは,多様性と共に生きる社会に一つの希望を示してくれました。 しかし家族支援・子育て支援の方法や家族会議の手順は定式化されているわけではなく,それぞれの地域や家族に適合的な形を模索していく地道なプロセスが重要です。 長時間にわたるイベントにご参加くださったみなさま,誠にありがとうございました。 |