2019年1月7日(月)に第2回「障害と共生」研究会が開催された。研究報告を行ったのは、田中慎太郎(UTCP)と山田理絵(UTCP)である。

はじめに、田中が「臨床心理学史から未来の現場を考える」というタイトルで報告を行った。主に英国における統合失調症に対する心理学研究史を取り上げ、「心理現象の数値化」に基づいた心理学が、精神医学の新たな治療法の開発・普及へと繋がった流れを概観した。現行の治療法に対する欠点を、サービスを利用する当事者の視点から評価する近年の動向を踏まえ、「心理現象の数値化」に基づく臨床心理学が、精神医学および当事者の声を重視した研究活動と協働することの可能性を述べた。


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 続いて山田が「『難病』研究の歴史からみる拒食症」というタイトルで報告を行った。主に1970年代から1980年代初頭までの厚生省の「難病」施策の動向を取り上げ、いかにして「拒食症」が難病として国家的な研究プロジェクトの研究対象となったのかについて概観した。その上で、生物医学的な眼差しが日本の拒食症研究に与えたインパクトについて論じた。


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(報告:田中、山田)