ブログ 2018年05月

2018.05.24 Permalink

 2018年5月12日(土)に、2018年度こまば当事者カレッジ夏期コース第一回が開催され、「認知症ってなんですか?」と題して,当事者・家族・支援者など様々な立場のみなさまにお集まりいただきました。本コースでは,毎回ゲストの「レクチャー」を受け参加者全員で「ワーク」に取り組む,「れくわく」を行います。


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第一回はゲストとして樋口直美さん(レビー小体病当事者),山口泰弘さん(東京大学医学部附属病院老年病科)にお越しいただきました。
 樋口さんは,医療情報やスティグマによる絶望から,当事者との出会いの中で自らを語る言葉を見つけ出して行く希望へのあゆみを語ってくださいました。認知症という診断がついた途端,当たり前のリスクや困難から遠ざけられ,生活が奪われてしまいます。確かにストレス状況下では症状が出てきがちですが,その人らしさ・魂は残るはずです。我々は,その人らしさ/自分らしさと向き合えているのか,考えさせられるレクチャーでした。
 山口さんは,医師の立場から認知症に関する医学的知見や事例をご紹介くださいました。アルツハイマー型認知症とアミロイドとの関連など,発症のメカニズムは未だ明らかになっていない部分もあります。しかし少なくとも現状では認知症を治すことはできません。だからこそ正しい診断と治療が重要なのです。“本人の思い”の尊重は医療現場においても大きな課題です。
 後半は小グループに分かれ,「認知症になっても幸せに生きるために必要なものは?」というテーマでアイディアを出し合いました。友人・家族・ピア・恋愛といった人との繋がり,就労や趣味などのやりがい,生活を補助する技術やシステム,さらにはそもそもこの問題設定が適切か?といった意見も出ました。認知症の有無に関わらず生きやすい社会を共創する貴重な機会となりました。

(文責:馬場絢子)


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