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2021.02.15 Permalink

 2020年12月19日、Zoomミーティング上でこまば当事者カレッジ「社会的マイノリティとメンタルヘルス―在日コリアンを例として―」が開催されました。講師に東洋大学の井沢泰樹(金泰泳(きむ てよん))先生をお招きし、在日コリアンを例としたマイノリティ差別とメンタルヘルスの関係についての講義を行っていただきました。

 参加者は予めYoutubeで配信された動画を視聴し、その上で当日のディスカッションに参加するという形式を取りました。当日の前半は動画に対して寄せられた感想や質問に井沢先生が応答し、休憩を挟んでの後半は全体でのディスカッションを行いました。

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 カレッジの前半では、参加者から寄せられた様々な質問に対して井沢先生が回答してくださいました。例えば、目に見えるヘイトと目に見えない匿名のヘイトとの違いに関する質問に対しては、以前は露骨で直接的な差別(今でいうヘイトスピーチ)が多かったのに対し、今は加害者が意識せずに使っている言葉や態度がマイノリティへの差別を含意しているというような、間接的な差別が増えている気がする、と井沢先生は答えています。マイクロアグレッションとも呼ばれるこの種の差別には、マイノリティを人間不信にさせやすいという特徴があると井沢先生はおっしゃいます。
 また、在日コリアン差別の制度的な側面に関する質問に対しては、井沢先生は社会参加の制度がメンタルヘルスにも関係していると回答しました。現状在日コリアンは参政権を獲得できる望みもなく、ただ制度を守らされるだけの立場に置かれている。そのことが在日コリアンをして展望のなさを生み、ひいては自殺率の高さにむすびついているのではないかということでした。
 当事者研究を差別への対処に活用する試みはあるのか、という質問に対しては、石原先生が当事者研究は社会運動や権利運動とは必ずしも一致せず、両者は分けて考える必要があるのではないかという意見を述べていました。

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 後半の全体ディスカッションでは、まず当事者研究の意義に関する議論が提出されました。ある在日三世の参加者の方は、在日のコミュニティには公的な支援というものがなく、日本の医療制度につながりにくい中で、当事者たちが自助グループ的な活動をすでにやってきているので、そこで改めて当事者研究を行うことに意味はあるのか、という意見を述べました。井沢先生は既存の団体の活動が果たしてきた意義は認めつつも、イデオロギーや垣根を設けることなく個人としてサポートを受けられる場は必要ではないかと言います。また別の在日の当事者の方は、あくまで個人としてサポートすべきという考えと、在日のコミュニティや歴史の意義、この両面をどう見ていくかが難しいと言っていました。
 後半のディスカッションではそれ以外にも「自死遺族」という呼称が伝統的な家族の枠に収まらない関係性を排除する役割を果たしている問題について、企業による人種差別への意見表明の是非について、などが議論に上りました。


(報告:石渡崇文)

2020.03.17 Permalink

2月11日、こまば当事者カレッジ冬期コース「ひきこもりと居場所」の第2回として、「シエンはつらいよ~支援を受けることの息苦しさ/治療の権力構造/人間性という発明~」というテーマでレクチャーおよびワークが開催されました。
ピアサポートグループ代表の園田章さんを講師としてお招きしました。園田さんは本学のOBで、不登校・ひきこもりの当事者であったこともあります。レクチャーでは、園田さんにご自身の経験を切り口に、今日の支援の問題点(なぜ多くの当事者は、居場所にも来てくれないし、支援の対象となることに息苦しさを感じるのか)について、分かりやすく説明していただきました。

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具体的には、①社会的マイノリティである当事者の行動や考えが、マジョリティによって抑圧されがちなこと、②そうした抑圧は「覚せい剤やめますか?それとも人間やめますか?」という広告があったように、〈非人間的〉というレッテル貼りを通して行われやすいこと、③そうしたマジョリティによる恣意的なレッテル貼りがあるおかげで、支援者が良かれと思って支援をしても、社会全体では支援の対象になること自体がスティグマ(烙印)となり、当事者が人間扱いされていないと感じてしまうことを学びました。
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ワークでは、こうしたレクチャーの内容を踏まえた複数テーマでディスカッションおよびリフレクティングワークを行いました。当事者や支援者のみならず様々な立場の参加者同士が意見を交わしたことで、レクチャーへの理解が深まったり、支援に対する新たな問題などが浮き上がったりと、非常に充実した回となりました。(報告:遠藤)

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2020.02.25 Permalink

2020年2月13日(木),第6回「障害と共生」研究会が駒場キャンパス101号館にて開催された。
今回のテーマは,「家族とケア」であった。研究会では,はじめに馬場絢子(東京大学教育学研究科博士課程)が研究内容について発表し,山田理絵(UTCP/特任助教)がコメントを述べたのち,ディスカッションを行なった。

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馬場は「家族関係における老親介護の意味:母娘関係に注目して」というタイトルで報告を行なった。介護以前からの親子関係の文脈のなかで介護を捉え直すことを目指したミックスメソッド研究の結果をふまえ,老いゆく親を介護する子介護者,特に娘介護者の体験について得られた知見を共有した。最後にこれをふまえた家族介護者向けの心理学的支援モデルを提示した。
ディスカッションでは,介護のフェーズによる体験の違いや社会・文化の影響などについてコメントをいただき,「そもそも家族が介護すべきか」といった議論にも展開した。今後の研究や実践への示唆を得ることができた。(報告:馬場)

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2020.02.04 Permalink

 2019年12月24日(火)に、第5回「障害と共生」研究会が駒場キャンパス101号館にて開催された。今回のテーマは「禅と癒し」であった。研究会では、はじめに、田中慎太郎(UTCP/特任研究員)さんに研究会テーマについて導入を行っていただいた後、発表者である東島宗孝(慶應義塾大学社会学研究科後期博士課程)さんに、ご研究内容についてお話いただいた。以下は、田中さん、東島さんからの報告である。

 はじめに、田中が、東島さんの発表に先立ち、現代社会における仏教のあり方について、主に第二次世界大戦後の欧米社会におけるアジア仏教の欧米化や、臨床心理学における瞑想を用いた心理療法の発展の概要について述べた。

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 続いて、東島は『坐禅と「解放」』というタイトルで発表を行った。その中で近代以降「禅」を取り巻く様々な文脈(「修養」「新霊性文化」「(臨済)宗学」)から坐禅が捉えられてきたことを踏まえた上で、現代の坐禅会で坐禅と「解放」がどのような点で結びつけられているのかという点を聞き取り調査の結果から検討した。そして坐禅と「解放」という概念の結び付き方は多様であり、背後にある文脈の絡まり合いを捉える必要性を論じた。
 
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 ディスカッションでは、今回参照した3つの文脈の妥当性、参与観察の意味、個々人の背景を考慮しすぎる危険性、禅宗内の利他―利己概念の再検討の必要性など非常に鋭いコメントをいただき、今後の研究への示唆を得ることができた。

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(報告:田中、東島)

2020.02.04 Permalink

こまば当事者カレッジ2019年度冬期コース「ひきこもりと居場所」の初回として、12月28日に板東充彦さん(跡見学園女子大学心理学部)をお招きし、「ひきこもりからグループ/コミュニティを考える」というタイトルでレクチャーとワークを実施いただきました。板東さんは臨床心理士として様々な臨床現場に関わりながら、ひきこもりの方々のサポートグループを立ち上げ、14年間ボランティアでグループの運営を継続されてきました。レクチャーの前半では、一般的なセルフヘルプ・グループになじみにくいひきこもり当事者の方々を対象に、治療ではなく「居られる」を目指した場作りを、板東さんが具体的にどのようにされてきたのかをお話いただきました。板東さんの場合、もう1名のスタッフとその時々で最大で10名の当事者の方とで、自己紹介/前回の感想に始まる90分のセッションを隔週で行っていく形での実施です。そこでは、話し手の相談を「みんなで聞き合う」という受容的な場作りによって、どんな人も排除せずに受け止め合うことが可能になっていたということでした。

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続くレクチャーの後半では、板東さんがサポートグループの運営と並行して行っていた、セルフヘルプ・グループの代表者会議の立ち上げと継続についてお話いただきました。月一回、集まった人たちが話したいテーマでフリーディスカッションする場を作っていくなかで、心理職としてカウンセリングする関わりではなく、また専門職同士の対等な関係とも異なる中で、ご自身の立ち位置が徐々に意識化されていったとのことです。このような当事者との関わりについて、「支援する/される-医療モデル」「生活者として共に生きる-コミュニティ・モデル」という概念図式を参照しつつ説明いただきました。

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プログラム後半のワークでは、板東さんに用意いただいた「新しいグループ/コミュニティを作りたい」「セルフヘルプ・グループ運営上の困難について」というテーマの他、「運営者コミュニティを作るには」「上下関係のないグループ/コミュニティを作るには」というテーマを参加者の方々に出していただき、グループディスカッションを行いました。

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ディカッション後の全体共有では、グループ問わず対等なグループ/コミュニティ作りと継続的な運営の難しさが話題になったことが分かりましたが、それとともに新しい形のグループ/コミュニティへの期待感を参加者のみなさんと共有する時間にもなりました。(報告:中里)

2019.11.28 Permalink

2019年10月 6日(日),シンポジウム「マインドフルネスによる実践者の変容〜ヴァルネラビリティから生まれる対話」が開催されました。

今回のイベントでは,マインドフルネスを科学的根拠のある治療法としてではなく,ヴァルネラビリティに基づく自分ごととして,そして文化と歴史に根差すものとして,捉えることを試みました。
ゲストとして藤野正寛さん(京都大学教育学部 助教 / 認知心理学),井本由紀さん(慶應義塾大学理工学部 専任講師 / 文化人類学),小木戸利光さん(Theatre for Peace and Conflict Resolution 代表 / 演劇・パフォーマンス)にお越しいただきました。
会場は100名近くの参加者の方に恵まれ,盛況のうちに開催する運びとなりました。

まずは藤野さんが,本日のテーマであるヴァルネラビリティとマインドフルネスについて,メタファーを用いてわかりやすくお話しくださいました。ヴィパッサナー瞑想や日常の中で一時的な痛みや長期的なもやもやから放たれていった体験が語られました。

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続く井本さんは,マインドフルネスの構造や歴史をふまえ,社会学などの観点から論点を提示してくださいました。マインドフルネスリスニングのワークでは,この場で出会った参加者同士で相手の存在に注意を向け,会場全体に意識を広げていく実践に取り組みました。

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小木戸さんは,芸術を居場所としフィールドワークを展開されてきたご自身の経験について共有してくださいました。全員参加型のパフォーマンスで会場が一つの空間になりました。

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最後にはディスカッション・質疑応答を行いました。これまで学術的に焦点が当てられてきた側面とは異なる体験的なマインドフルネス感覚が,参加者ひとりひとりの中に位置づく手助けとなったようです。

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イベントにご参加くださったみなさま,誠にありがとうございました。
今後もこまば当事者カレッジをどうぞよろしくお願いいたします。(報告:馬場)

2019.11.14 Permalink

2019年9月25日(水)に、第4回「障害と共生」研究会が開催された。研究報告を行なったのは、遠藤希美(東京大学総合文化研究科博士課程)と原田玄機(白梅学園大学非常勤講師)である。
はじめに、遠藤が「ヒトの心身メカニズムを知るための実験的アプローチ」というタイトルで発表を行った。感覚と運動との相互作用を例に、実験的にどうアプローチしどのように定量化するかを説明した。最後にこうしたアプローチの限界やインタビュー等の質的なアプローチとあわせる重要性を述べた。

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続いて原田が、「戦後日本の知的障害者処遇の対象変動――1970~80年代の特殊教育を中心に」というタイトルで報告を行った。ここでは、日本の知的障害児教育の対象変動とその要因の仮説を提示した。公的統計等の検討から、1970~80年代の特殊教育において、軽度知的障害児よりも中重度知的障害児を対象へと対象が変動していったことを跡づけたうえで、その背景には教員という資源の制約があったのではないかという仮説を提示した。
ディスカッションでは、学校に子どもを通わせる保護者の意向、心理検査の変化、学校卒業後のライフコースといった点を視野に入れるとよいのではないかというコメントをいただいた。普段とは異なる視点からコメントをいただき、今後の研究の方向性に関する示唆を得ることができた。

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なお、本報告は、拙稿、原田玄機(2019)「養護学校義務化以後における軽度知的障害児の減少:特殊教育はどのような知的障害児を対象としてきたか」『〈教育と社会〉研究』第29号、pp.59-70をもとにしたものである。

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(報告:遠藤、原田)

2019.11.12 Permalink

2019年8月10日(土)に、2019年度カレッジ夏期コース第4回「社会的養育のいま」が開催されました。児童福祉施設での養育支援などの社会的養育を切り口に「家族」のあり方を考えるレクチャーおよびワークとなりました。講師として高橋亜美さん(アフターケア相談所ゆずりは/アフターケア事業全国ネットワーク)、川辺康子さん(西成チャイルド・ケア・センター/にしなり☆こども食堂)のをお招きし、リサーチ・アシスタントの中里晋三さんによる司会・ファシリテーションで、講師のレクチャーおよびインタビューが行われました。ワークではレクチャーに基づいて参加者のみなさんでグループディスカッションを行いました。

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 まず、中里さんより、社会的養育についての基礎的な知見を概説していただきました。私はレクチャーを受けるまで、社会的養育というと児童相談所や児童養護施設をイメージしていました。しかしそのイメージは覆され、社会的養育とは子どもの育ちを社会で支える営み全体を指す幅広い概念であり、保護・生活・自立支援といった様々な段階で各施設がそれぞれ機能していることを学びました。そうした施設の中で、アフターケア相談所ゆずりはと、にしなり☆こども食堂がどのような機能を持つのかを聴いた後、高橋さんと川辺さんのレクチャーに移りました。

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アフターケア相談所ゆずりはは養護施設を巣立った人たちの自立支援の相談窓口となるところです。こちらの施設の高橋さんは、ご自身が児童養護施設の職員としてこどもたちと関わった経験や、設立の経緯や現状を幅広くお話してくださいました。養護施設出身の人たちは、社会生活が過酷になっても適切な公的支援を受けないことが多々あるそうで、彼らは「誰にも頼ることなく生活する」ことを「自立」として捉えているように感じました。一方、高橋さんは「誰かに相談しつつ試行錯誤する」ことこそが「自立」の道に繋がるという思いで活動しているように感じました。「自立」とは何なのか、私自身も考える機会となりました。

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にしなり☆こども食堂は要養護児童対策地域でこども達を見守る機関です。にしなり☆こども食堂の川辺さんが設立の経緯とこども食堂でのエピソードを話してくださいました。その後、中里さんによる川辺さんへのインタビューが行われました。こども食堂が世間一般的には必要最低限の食事を提供するイメージが強いようですが、実際は食事の提供以外にも様々な活動を行っており地域の人々と交流しつつ学ぶ場として機能していることを学びました。

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グループディスカッションでは、今回のレクチャーに関するテーマを複数提示し、それに基づいて参加者同士でディスカッションを行いました。最後の全体ディスカッションではグループディスカッションでの内容を共有しつつディスカッションを行いました。今回のコースは「家族と子育てを考える」をテーマとしていますが、このテーマを社会全体という広い枠組みで捉える広い良い機会になったのではないでしょうか。 (報告:遠藤)

2019.10.17 Permalink

7月27日、こまば当事者カレッジ2019年夏期コースの第3回「家族を支え、みんなで子どもを育てる」が開催されました。今回は、発達に心配のある子ども達を支援している札幌の社会福祉法人「麦の子会」のみなさんを招いて講演を行い、その後は参加者同士でグループに分かれて、障害のある子どもや家族と暮らすことをテーマにディスカッションを行いました。講演ではまず総合施設長の北川聡子さんが麦の子会の成り立ちや活動内容を紹介し、その後に発達障害の診断を受けたお子さんの親たちが、麦の子会とかかわる事になった体験を語ってくれました。

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麦の子会は1982年、札幌市に設立された通園施設です。もともとはたった4人の大学生で立ち上げ、1996年までは無認可で障害のある子どもとその家族の支援を行っていました。2011年からは、親が子どもを養育することが難しくなった時に家庭養育を行う「里親ファミリーホーム」を運営しています。麦の子会は障害児や被虐待児の発達支援、家族支援、地域支援などを行っていますが、子ども個人だけではなく、子どもの家族や地域のコミュニティにも支援を広げている点が特徴的で、親と子どもがより良い関係を学ぶペアレントトレーニングも行っています。

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ディスカッションでは「なぜうちの地域にこういう施設がないのか」という声が多く挙がった他、麦の子会のように障害のある子どもが地域社会に自然に溶け込める場が存在することで、同じ地域に暮らす他の子どもたちにとっても小さい頃から障害のある子もない子も共に生活し尊重しあえることも利点ではないか、という意見も出ました。(報告者:石渡)

2019.10.17 Permalink

7/6(土)に、こまば当事者カレッジ2019年度夏期コース「家族と子育てを考える」の第2回「DVや子ども虐待の事例をもとに、あらためて家族関係について考える」を実施しました。講師には森田展彰さん(筑波大学)、佐々木真紀さん(WERC)、田村伴子さん(WERC、女性ネットSaya-Saya)をお招きし、DV問題をとらえる理論的枠組みから支援の実際までをお話いただきました。

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まず、森田先生は、DVや虐待について、現場のご経験やこれまでのご研究に基づいたお話をしてくださいました。そして佐々木さん、田村さんからも、WERC、女性ネットSaya-Sayaでのご活動についてのお話をいただきました。佐々木さん、田村さんは、DV問題では被害者が「気づき、情報を得る(Step 1)」、「安全・安心を得る(Step 2)」、「心身のケア自立する(Step 3)」ための支援に加え、「DV・虐待と気づかない(Step 0)」段階における支援の充実も大切だとおっしゃいました。

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その後、参加者のワークでは、DVや虐待に気づいた時、様々な立場の人々がどんなことができるだろうかを考えました。なかなか思いつかないという難しさがありつつ、講師の方々とは活発な意見交換が行われていました。(報告:中里)