Title: | UTCPセミナー「職業としての大学教授 ― 人文系大学院の未来」終了しました |
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Date: | 2010年1月28日(木) 17:00-19:00 |
Place: | 東京大学駒場キャンパス|18号館4階|コラボレーションルーム3 |
講演: 潮木守一 (桜美林大学) 討論者・司会: 西山雄二 (UTCP)
参考文献:
潮木守一『フンボルト理念の終焉?――現代大学の新次元』(東信堂、2008年)
潮木守一『職業としての大学教授』(中央公論新社[中公叢書]、2009年)
潮木守一『転換期を読み解く 潮木守一時評・書評集』(東信堂、2009年)
使用言語:日本語 入場無料、事前登録不要
概要:
本セミナーでは、大学論の泰斗・潮木守一氏(桜美林大学)をお招きして、日本における大学の人事システムの現状と問題、そして、人文学系の大学院生の現状と問題をめぐって討議をおこなう。
アメリカ、イギリス、フランス、ドイツと日本との国際比較を通じて、以下のような論点を実証的かつ具体的に討議する。討議の向かう先は、あくまでも、私たちに深く関係する日本の大学の問題と展望である。
大学教員はどのように育成されているのか?
博士課程の学生の生活はどのようなものだろうか?
博士号を取得するまで、どのくらい大変な思いをすればよいのだろうか?
博士号を取得してから、どのくらい大変な思いをするのだろうか?
大学教員はどのように選抜されているのか?
各国の大学において、教授、准教授、講師、研究員の割合はどのようなものだろうか?
同一大学内で教員がほぼ自動的に昇進してしまうことの是非をどう考えるべきだろうか?
大学教員のあいだで、どの程度の競争を、いかなる基準で妥当とするべきだろうか?
やや唐突だが、上記の問いをめぐって、日本の大学の現状に突きつけた潮木氏の言葉をあらかじめ記しておきたい。
「日本の大学教員は我が身を守ることには懸命になるが、その後継者世代をどうやって確保するかに対してはきわめて冷淡で、その結果、博士課程は目下、いまだかつて経験したこともない危機的な状況に陥ってしまった。この緊急事態を乗り越えるには、しばらく大学院博士課程の募集を停止して、もう一度原点に立ち戻って考え直す必要がある。ますます多くの頭脳と情熱と青春が失われようとしている。青春は二度と取り戻せない。ただちに博士課程の募集を一時停止してでも、全国の博士課程を持つ大学を中心に、さらには全大学を含めて、今後の大学教員養成の制度設計を見直す必要がある。これは大学の責任であって、どこか他の機関の責任ではない。」――潮木守一『職業としての大学教授』
(以上文責・西山雄二)
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