Title: | 【関連イベント】ドキュメンタリー映画「哲学への権利——国際哲学コレージュの軌跡」上映+討論会終了しました |
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Date: | 2009年9月3, 8,10,11日 |
Place: | The New School for Social Research, Cornell University, New York University, Yale University |
ドキュメンタリー映画「哲学への権利——国際哲学コレージュの軌跡」
(Le droit à la philosophie: les traces du Collège international de Philosophie)
映画HP(映画の概要、上映情報、報告など)⇒ http://rightphilo.blog112.fc2.com/
哲学の権利について、人文学の未来について、私たちは何を信じることを許されているのか?
映画「哲学への権利——国際哲学コレージュの軌跡」は、1983年にジャック・デリダやフランソワ・シャトレらがパリに創設した国際哲学コレージュ(CIPH)をめぐる初のドキュメンタリー映画である。映画は、歴代議長ミシェル・ドゥギー、フランソワ・ヌーデルマン、ブリュノ・クレマン、現副議長ボヤン・マンチェフ、新旧のプログラム・ディレクターであるカトリーヌ・マラブー、フランシスコ・ナイシュタット、ジゼル・ベルクマンへのインタヴューから構成される。この映画の目的は、現在のグローバル資本主義下において人文学や哲学の可能性を考えることであり、もっとも主要な問いは「制度の問い」である。哲学と制度の関係の問い——それはデリダが思索し実践した脱構築の核心をなす主題でもあった。
「脱構築とは制度という概念がつねに問題となる制度的実践である」——ジャック・デリダ
映画は全8章で構成されているが、まず第1章「プロフィール」では各インタヴューアーが国際哲学コレージュでの経歴を語る。第2章「国際哲学コレージュの定義」では、コレージュで実践される研究教育活動の独創性が浮き彫りになる。第3章「国際哲学コレージュと大学」では、各インタヴューアーが他の学術制度とは異なるコレージュの特徴(無償性の原理、教員のあいだの平等、カリキュラムやプログラムの理念など)を物語る。第4章「国際哲学コレージュの理念」では、コレージュが提唱する「インターセクション」の理念が、英米圏の大学でのカルチュラル・スタディーズのような「領域横断性」の理念と比較される。第5章「国際哲学コレージュと経済的価値観」で描き出されるのは、グローバル資本主義下で収益性、効率性、卓越性が重視されるなかで人文科学が直面する決定的な経済の問題である。第6章「場所の問い」では、固有のキャンパスをもたない国際哲学コレージュの事例に照らし合わせて、研究教育活動とは何処でおこなわれるのか、という問いが提起される。第7章「困難」ではコレージュが現在直面しているさまざまな問題が語られる。最終章「ジャック・デリダと国際哲学コレージュ」では、各インタヴューアーが、デリダの哲学やコレージュに対するデリダの貢献について回顧的に証言する。
出演:ミシェル・ドゥギー、フランソワ・ヌーデルマン、ブリュノ・クレマン、カトリーヌ・マラブー、フランシスコ・ナイシュタット、ジゼル・ベルクマン、ボヤン・マンチェフ
音楽:matryoshka (Novel Sounds) http://www.matryoshka.jp
監督:西山雄二
助成:文部科学省研究費補助金若手B 課題番号20720002
後援:東京大学グローバルCOE「共生のための国際哲学教育研究センター(UTCP)」
上映時間:95分 フランス語(英語字幕付)
予告編(日本語字幕版):http://www.youtube.com/watch?v=nW5F2Mfz5lk
映画HP(映画の概要、上映情報、報告など)⇒ http://rightphilo.blog112.fc2.com/
2009年9月上映日程(アメリカ) 入場無料、事前登録不要
9月3日(木)18:00-21:00 The New School for Social Research
Room 906, 6 East 16th Street, New York, NY 10003
with discussion moderated by Simon Critchley, Zed Adams and Y. Nishiyama
9月8日(火)16:30-19:00 Cornell University (French Studies)
Guerlac Room, Andrew D. White House, 27 East Avenue, Ithaca, NY 14853-1101
with discussion moderated by Laurent Dubreuil, Bruno Bosteels and Y. Nishiyama
9月10日(木)16:00-19:00 New York University (East Asian Studies)
Room 312, 715 Broadway, 3rd Floor, Department of East Asian Studies, New York, NY 10003
with discussion moderated by Thomas Looser and Y. Nishiyama
9月11日(金)17:00-20:00 Yale University (the Todai-Yale Initiative)
Room 208, the Whitney Humanities Center, 53 Wall Street, New Haven
with discussion moderated by Haun Saussy, Yasunari Takada and Y. Nishiyama
※本作品は2010年2-3月に原版をフランス各地で、日本語字幕版を日本各地で上映する予定です。基本的に自主上映の形で上映はおこなわれますので、上映希望の方は西山まで御連絡ください。e-mail: globalCOE[at]utcp.c.u-tokyo.ac.jp
【UTCPブログにおける国際哲学コレージュ関連記事】
・2008.03.22 西山雄二訳/ ジャック・デリダ『条件なき大学』―UTCPとCIPh
・2008.09.03 【現地報告@パリ】制度と運動——国際哲学コレージュ取材記
・2008.09.08 【現地報告@パリ】学問の無償性——国際哲学コレージュ取材記(続)
【旅日記】
・旅立ちの唄——亡命者の大学The New School for Social Research
・大学の瞳 Cornell University
・郵便配達人かつ旅人——旅の終わりの旅立ちの唄 NYU,Yale University
【映像作品】「旅の終わりの旅立ちの唄/A Song of Departure at the End of a Journey」