Brain Sciences and Ethics / 脳科学と倫理

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科学技術の発展は社会に大きな影響を及ぼし、さまざまな価値観や倫理に関わる問題を引き起こしている。脳科学もそうである。このプログラムでは、脳科学と社会をめぐる哲学的・倫理的な問題を三つの側面から考察する。
第一に、脳科学の発達によって、薬物による知能の増強やマインド・リーディングなど、倫理的にゆゆしき問題を引き起こすような技術が開発される可能性がある。このような技術に関する倫理的問題を考察する。
第二に、脳科学の発達は、自由意志の否定、脳による行動の決定など、従来の人間観を根底的に揺さぶる可能性がある。脳科学による人間観の変更の可能性を、進化論の登場による人間観の変更と比較しつつ、その哲学的・倫理的な意味を探る。
第三に、脳科学は、人間の倫理的行動が脳のどのようなメカニズムによって産み出されるのかを明らかにすることにより、人間の倫理的行動の実態を暴き出し、従来の倫理学に深刻な打撃を与え、倫理の自然化を促す可能性がある。このような倫理の自然化がどのようなものとなるのか、またそれが何をもたらすことになるのかを考察する。

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