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ロルフ・エルバーフェルト教授講演会「変容的現象学の基本線」

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Date:
2024年3月14日 17:00 -18:30
Place:
東京大学駒場Iキャンパス 101号館2階 24号室(研修室)オンライン配信有(zoom)

ロルフ・エルバーフェルト教授講演会 "Grundlinien Transformativer Phänomenologie"(変容的現象学の基本線)

要旨: Transformative Phänomenologie(仮訳: 変容的現象学)のアプローチは、東アジアの哲学(特に道教と仏教)の包括的な分析から導き出された。道教と仏教の教えにおいて、あらゆる哲学的洞察が常に人間存在そのものの変容自身を意味している、ということは極めて重要である。道教や仏教の哲学では、生に関する知は単なる記述的なものではなく、むしろ変容をもたらす知である。つまり、自分たちの生を分析することで、私たちの人生を新たな方法で変化させ、実現させ、内側から変容させるということだ。変容的現象学においては、現象学のある種の傾向を深め、変容させる出発点として、東アジアの哲学のアプローチを用いる試みがなされている。「記述的現象学」と「解釈学的現象学」を超える意味で、変容的現象学は提案されており、そこでは、それ自身の遂行の過程が方法自体の構成要素となる。現象の分析は、もはや純粋な客観化の行為ではなく、私の知覚と存在の変容を意味することになる。このように、現象学的作業が達成する変容は、常に私たち自身の生き方と結びついている。現象学的作業において、人は自分自身の経験の諸構造に出会うが、それらの構造は、現象学的分析の遂行を通じて変容しうる。現象学は、もはや「単なる観客」として現象を描写することではなく、自分自身の肉体的・精神的経験との出会いの中で自分自身が変容していくことを意味する。

日時: 2024年3月14日 17:00-18:30
場所: 東京大学駒場第一キャンパス 101号館24号室(研修室)
講演者: ロルフ・エルバーフェルト教授(Prof. Rolf Elberfeld ヒルデスハイム大学哲学科教授)
司会: 桑山裕喜子(UTCP特任研究員)
言語: ドイツ語(日本語要旨あり。質疑応答は日本語も英語も可。)
参加申し込み(オンライン参加者のみ): https://forms.gle/CyJrzkoveuiF53QdA


主催: 東京大学大学院総合文化研究科・教養学部附属 共生のための国際哲学研究センター(UTCP)

 現象学には主体の変容 や "transformation de mon être" (Merleau-Ponty 1945, 214)が伴われうることについて指摘されてから既に久しい。しかしそこで言われている「現象学」にはいくつかの特徴があるようだ。記述や分析の<主体>が記述の<客体>と離れたものとして現象学的作業を遂行したとしても、自身の生の発展の仕方が自ずと変化していたり、あるいはその変化に注意や意識が向くアプローチもあれば、そういった側面への反省を半ば禁じるアプローチもあるだろう。ヒルデスハイム大学哲学科のロルフ・エルバーフェルト教授は、その主体の「変容」にあえて注目する。この「変容」を生の知として受け止めてきた道教と仏教(複数の教派を加味)哲学的知に光を当てながら、記述的現象学や解釈学的現象学を乗り越えることに挑戦する。「生」と「主体の変容」と「現象学」に興味のある方はぜひ、お気軽にいらしてください。

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