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「障害」と「健常」、境界を問う――『記憶との対話~マイノリマジョリテ・トラベル、10年目の検証~』をめぐって――

要登録 終了しました
Date:
2017年1月9日(月・祝)13:00-17:00
Place:
東京大学駒場Ⅰキャンパス 21 KOMCEE West K303

「障害」と「健常」、境界を問う
――『記憶との対話~マイノリマジョリテ・トラベル、10年目の検証~』をめぐって――

日時:2017年1月9日(月・祝)13:00-17:00
場所:東京大学駒場Ⅰキャンパス 21 KOMCEE West K303

使用言語:日本語|入場無料|定員:35名(要事前登録)

どこからどこまでが「障害」で、どこからどこまでが「健常」なのか。
その境界線は、誰が引いているのか――――
2006年に東京で行われた伝説的パフォーマンスを、
「障害者アート」が活況を呈する2017年現在から振り返り、対話する。

近年、障害のある人の表現にかつてないほどの注目が集まっています。それだけでなく、障害の有無を問わず、多様な人々に門戸を開いた展覧会や公演、ワークショップなども増えてきました。しかし、障害がある/ないとはどういうことでしょうか? 10年前に、この問題をラディカルに問い直した企画がありました。マイノリマジョリテ・トラベル主催のパフォーマンス「東京境界線紀行『ななつの大罪』」です。

本企画では、同公演の記録を10年後にまとめた、ドキュメンタリー映画『記憶との対話―マイノリマジョリテ・トラベル、10年目の検証』を、4人の関係者のお話とともに上映します。そのうえで、障害と健常、マイノリティとマジョリティ、そしてそれらとアートについて参加者全員でじっくりと対話します。なお、同映画の東京での上映は、満席だった2016年3月のプレミアに続き、2回目となります。

■レクチャー:長津結一郎(九州大学大学院芸術工学研究院コミュニケーションデザイン科学部門助教)

■ゲスト:
樅山智子(作曲家、マイノリマジョリテ・トラベル主宰)
佐々木誠(映画『記憶との対話~マイノリマジョリテ・トラベル、10年目の検証~』監督)
羊屋白玉(演出家、劇作家、俳優、「指輪ホテル」芸術監督)

■対話ファシリテーター・企画協力:水谷みつる(UTCP研究協力者)

■プログラム
13:00-13:05 開会挨拶(石原孝二)
13:05-13:20 レクチャー:障害とアートについて(長津結一郎)
13:20-13:35 トーク:マイノリマジョリテ・トラベルとは(樅山智子)
13:35-14:40 映画上映(61分)
14:40-15:05  クロストーク:検証映像「記憶との対話」からはじまる検証について
(樅山智子、佐々木誠、羊屋白玉、長津結一郎)
15:05-15:10 質疑応答
15:10-15:20 休憩
15:20-17:00 対話(ファシリテーター:水谷みつる)

■事前登録
こちらの登録フォームよりお申し込みください。
【※1/4現在、お申し込みが定員に達したため、新規登録はキャンセル待ちにて承っております】

■アクセスとサポートについて
会場は車椅子でのアクセスが可能です。今回のプログラムは、映画上映とトーク、そして少人数のグループに分かれての対話となります。障害等により情報保障その他のサポートを希望される方は、お問い合わせメールアドレスまで早めにお申し出ください。お一人おひとりとご相談しつつ、その方に合った参加環境を整備できればと考えています。なお、年末年始には大学の業務がお休みになります。また、すべてのご要望に沿えない場合があることをあらかじめご了承ください。

■飲食について
会場では、飲食は原則として禁止です。また、祝日のため、生協購買部はお休みとなります。

■お問い合わせ:komaba20170109[at mark]outlook.jp


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ポスター(表面)をダウンロード

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ポスター(裏面)をダウンロード


■ドキュメンタリー映画『記憶との対話―マイノリマジョリテ・トラベル、10年目の検証』(監督:佐々木誠/61分/2016年)について

樅山智子(作曲家)の呼びかけで 2005 年に立ち上げられたマイノリマジョリテ・トラベルは、2005 年から 2006 年にかけて羊屋白玉(演出家/指輪ホテル)と三宅文子(プロデューサー)をクリエイティブ・チームに迎えて「東京境界線紀行」プロジェクト(明治安田生命社会貢献プログラム「エイブルアート・オンステージ」第 2 期パートナー)を実施し、表現活動における〈障害〉の概念へ問題提起を行いました。パフォーマーを集めた公募の条件は、「自らの特徴や背景が社会の構造から排除されているが故に、生活において〈障害〉を経験したことがある人。そして、その〈障害〉を自己認識し、魅力と捉えてカムアウトした上で表現活動を行える人」でした。

まずは、公募で集まったメンバーそれぞれのアイデンティティの文脈を訪ね合う〈旅〉を共有します。性的マイノリティでアルコール依存症の人々の話し合いに参加したり、路上生活者と車いす利用者が労働を交換するシェアハウスを訪ねたり、福祉用大型バスに乗って長距離移動をしてみたり、アルトログリポージスという障害をもつメンバーの半生に耳を傾ける講談を開催したり、性同一性障害を自覚するメンバーの一人芝居を観劇したり、摂食障害など様々なテーマの自助グループが集まるお祭りに参加したり…。異なる視点をもったメンバーたちが東京の複数の層を一緒に旅することで、〈マイノリティ〉と〈マジョリティ〉の立場が相対的であり、線引きはその場その場で移り変わるものであるということを、身をもって体験します。そして、そのパラダイム・シフトの共同体験をもとに、旅をキーワードにしたパフォーマンス作品『ななつの大罪』を創り、発表しました(2006 年 4 月 30 日、東京)。都バスの中で繰り広げられる「バス・クルーズ」、スゴロクを片手に路上をめぐる「探検クルーズ」、倉庫が劇場となる「ステージ・クルーズ」の全三幕で構成されるこの作品は、反転する東京の境界線の内と外を一日を通して観客とともに行き来する旅でした。

「東京境界線紀行」から 10 年が経ちました。出演者たちは、2006 年以降も作品が投げかけたテーマと向き合い、それぞれ各自の表現活動を続けてきました。と同時に、様々な障害を抱える出演者の中には、残念ながらすでに他界してしまった人たちもいます。一方で、これからはますます少子高齢化が進み、深刻な過疎化と移民や難民の流入が予想される日本社会において、アイデンティティの問題はより複雑になってゆくでしょう。今だからこそ、10 年前の活動の記憶を掘り起こし、現代に投げかけたい、と考え、「東京境界線紀行」に関わった人々やそれらを取り巻く社会の 10 年間を追う映画を制作しました。監督は、2006 年当時も記録映像を撮影していた、映画監督の佐々木誠です。各地で上映を重ね、現代の日本社会における〈障害〉と〈健常〉の境界線をそれぞれの文脈に照らし合わせて再考し、この作品が投げかける問題意識について様々な方々と話し合いたいと思っています。
(マイノリマジョリテ・トラベル・クロニクル実行委員会)


主催:東京大学大学院総合文化研究科・教養学部附属 共生のための国際哲学研究センター(UTCP)上廣共生哲学寄付研究部門L2「共生のための障害の哲学」
協力:マイノリマジョリテ・トラベル・クロニクル実行委員会


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