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Title:

2013年『開放時代』東京会議 ワークショップ「中国の〈いま〉と人文学-『開放時代』との対話を通じて-」

終了しました
Date:
2013年6月15日(土) 10:30‐17:30
Place:
東京大学駒場キャンパス18号館4階コラボレーションルーム1

【主旨説明】

第二次世界大戦後に日本が中国と平和条約を締結して以降今日までの歴史は、中国の改革開放の歴史にほぼ重なる。わたしたちが銘記しなければならないのは、日本と中国の二国間条約が「友好」という二文字を冠しているという事実である。日本と中国は、現実主義で遂行されるべき外交関係にはおよそそぐわないはずのこのことばを守ることを相互に約束しながら、以来30年あまりの時間を伴走してきた。だが、その間に多くの人々が経験してしまったのは、「友好」ということばのインフレーションではなかったか。近年来の政治的緊張と相互不信の情緒は、そうしてみれば、訪れるべくして訪れた現実だったのかもしれない。

「友好」とはいかにも陳腐なことばであるとだれもが感じる。しかし、そうなってしまったのは、ことばそのものよりも、この30年あまりの歩みにこそ原因があるのではないだろうか。「友」を求めることが人間に特異な能力であるならば、人の学問を名乗る人文学の知においてこそ、このことばを再度拾い直さなければならないだろう。そうであるならば、中国と日本の絡み合う歴史と現在を考えることは、人文学が一つの知としてあるために避けては通れない責務であるとも言える。そのためにできることは、人文学の名において、相手を理解し、共有可能な問いのありかを探ることだ。

『開放時代』は、21世紀以降の中国の人文学を代表する学術雑誌である。それは、時の問題を人文学の知によって省察し、ことばを中国の社会と文化に還元する運動を不断に継続している点で、他の学術誌の追随を許さない。わたしたちは、『開放時代』を支える3人の論者に加えて、日本を代表する学術思想雑誌『現代思想』を長年支えてきた前編集長の池上善彦氏を招いて、今日の中国人文学において何が問われているのか、そしてそれがわたしたちの人文知においていかなる意義を有しているのかを、共に考えてみたい。これは、単なる中国研究、中国理解にとどまるものではなく、わたしたちが置かれている〈いま〉を、時間と空間の座標系の中で立体的に省察するための、有効かつ必要なアプローチである。

【プログラム】

司会:村田雄二郎(東京大学)
10:30-10:50 主旨説明:石井剛(東京大学) 
10:50-11:30 基調講演:陳少明(中山大学) 
  「問題としての現代中国知識人:『開放時代』掲載の論文と筆者集団に対する分析に基づいて」
11:30-11:50 質疑応答 
11:50-12:20 ゲスト講演:池上善彦(前『現代思想』編集長) 
12:20-12:40 質疑応答 
12:40-13:50 昼食
13:50-14:30 呉重慶(中山大学 『開放時代』名誉主編) 
  「社会主義という「マクロヒストリー」と『開放時代』のアジェンダ」
14:30-15:10 呉銘(『開放時代』執行主編) 
  「知識界、中産階級、草の根集団のニューメディア利用:近年の『開放時代』掲載論文をめぐって」
15:10-15:30 休憩
15:30-15:50 コメント:羽根次郎(愛知大学)
15:50-17:20 ディスカッション 
17:20-17:30 まとめ:尾崎文昭(東洋文庫) 

使用言語:中国語(日本語通訳あり)

主催:科研費基盤研究(B)「現代中国思想史構築のための中国知識界言説研究」
共催:『開放時代』雑誌社、東京大学共生のための国際哲学研究センター(UTCP)


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