Title: | 【関連イベント】認知哲学研究会第6回終了しました |
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Date: | 2012年1月21日(土)14:00-17:00 |
Place: | 東京大学駒場キャンパス16号館1階107号室 |
講演(1)
「意識経験の構造のモデル」
太田紘史(日本学術振興会特別研究員PD、東京大学)
概要:意識経験の構造について、二つのモデルが存在する。一方で「ビルディング・ブロックモデル」によれば、意識経験はいわば知覚の束であり、それらの知覚が統一的な仕方で経験されることは意識経験の偶然的特徴である。他方で「統一フィールドモデル」によれば、意識経験にはフィールドと呼ぶべき基礎構造がある。このモデルにおいては、特定の意識状態にあることはフィールドが様々な知覚によってモジュレートされることであり、それらの知覚が統一的な仕方で経験されることは意識経験の必然的特徴である。今回の発表では、これら二つのモデルを対比しながら、特に後者のモデルの妥当性について批判的に検討してみたい。
講演(2)
「植物状態患者にいかにして現象的意識を見出すか」
佐藤亮司(東京大学大学院総合文化研究科博士課程)
概要:本発表では、いわゆる遷延性植物状態(Persistent Vegetative State、PVS)にある患者が現象的意識を持つかどうかを検討する。従来、遷延性植物状態の患者は定義的に意識を持たないことになっていた。しかし近年、2006年のOwenらの研究をはじめとして、植物状態患者における意識の存在を示唆する様々な証拠が現れてきている。そこで本発表では 植物状態の診断基準の哲学的な反省や現象的意識の帰属についての議論の検討を通じて、遷延性植物状態の患者が現象的意識を持つ可能性を肯定的に論じる。
世話役:
信原幸弘(東京大学/UTCP)
使用言語:日本語
入場無料・事前登録不要