Title: | UTCPレクチャー「ミニマリズムの記憶に――アン・トゥルーイットと20世紀中葉のアメリカ美術における記憶の問題」終了しました |
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Date: | 2010年6月23日(水)18:00– |
Place: | 東京大学駒場キャンパス|18号館4階|コラボレーションルーム3 [地図] |
東京大学グローバルCOE「共生のための国際哲学教育研究センター」(UTCP)
中期教育プログラム「イメージ研究の再構築」主催
レクチャー
ミニマリズムの記憶に
アン・トゥルーイットと20世紀中葉のアメリカ美術における記憶の問題
記憶とは人間にとって経験の核心をなすものであるにもかかわらず、60年代以降のアートに関する議論のなかでは無視される傾向にあった。しかし記憶が創造行為にとって重要であることは間違いないし、とりわけミニマリズムを考察するにあたってはきわめて有益な視座を提供してくれる。この講演は20世紀半ばの絵画・彫刻に関する批評言説――同時代(グリーンバーグ、フリード、トニー・スミス)と後続世代(クラウス)の双方――において、どのように記憶が抹消されていったかを論じる。次に、アメリカのミニマリズム彫刻家アン・トゥルーイットの作品に見られる記憶を検討する。トゥルーイットの彫刻は一個人、また社会集団が特定の土地をめぐって形成する記憶という問題を提起しており、20世紀半ばのアート全体の批判的研究へと視点を拡げる手がかりとなるものである。最後に、トゥルーイットの東京滞在(1964–67年)を手短かに振り返り、彼女のその後の作品への影響を分析する。
【講演者紹介】 Miguel de Baca
専攻はアメリカ美術、近現代美術、写真史、ヴィデオアート。スタンフォード大、ハーヴァード大に学び、後者で2009年に博士号を取得。スミソニアン・アメリカ美術館研究員、ハーヴァード大付属ダンバートン・オークス研究所などを経て、現在イリノイ州レイクフォレスト・カレッジ助教。博士論文 “Memory Work: Anne Truitt and Sculpture in the 1960s” を出版に向けて改訂中。
使用言語:英語(当日講演原稿を配布)
入場無料|事前登録不要
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