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Title:

【公開共同研究】「歴史哲学の起源」第二回 テュポス――決断の認識論

終了しました
Date:
2009年9月30日(水) 16:30-18:30 →都合により開催延期となりました
Place:
東京大学駒場キャンパス101号館2階 研修室 [地図]

 講演者:長谷川晴生(東京大学大学院総合文化研究科博士課程)

 今年度の短期教育プログラム「歴史哲学の起源」では、1.歴史哲学とギリシア悲劇解釈、および2.歴史哲学と予型(タイプ)論の二つを主要なテーマとして公開研究を進展させている(研究計画の詳細については第1回研究会の報告を参照のこと)。第2回公開共同研究に当たる今回は上記の表題の下で、このうちテーマ2のタイプ論を主眼とする発表を行う。

 予型論とは、その狭義では、キリスト以降(新約聖書)の事象とキリスト以前(旧約聖書)の事跡との間に対応関係を読み取り、後者を前者の予型(=原型=タイプ)と見做す聖書解釈法のことを意味する。だが、複数の異なった事象の間に原型・対型関係を読み取ることは必ずしも聖書読解に限定された行為ではなく、より一般的な認識方法としてのタイプ論の存在を想定することが可能である。

 そこで今回の発表では、そのような広義のタイプ論の展開として、ドイツの作家・思想家であるエルンスト・ユンガーによるエッセイ『原型・名称・形態』(1963/64)を主要に検討する。通例ではゲーテのモルフォロギーを20世紀において継承するものとして読解されてきたこのテクストは、同時に『労働者』(1932)以来の著者の世界認識の再整理の試みでもあり、ゲーテの受容史を越えた意義を持つものである。『原型・名称・形態』で一つの完成を見た原型(タイプ)を巡る思考がカール・レーヴィットらによって「決断主義」と総称される前世紀前半の知的傾向において決定的な役割を果たしたこと、さらには決断という行為は原型の認識を無意識的に前提としていることを、本発表によって明らかにしたい。


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