【書誌情報】
石原孝二 編、斎藤環 編
『オープンダイアローグ—実践システムと精神医療—』2022年、東京大学出版会
ISBN:978-4-13-060415-4
【目次】
はじめに(石原孝二・斎藤 環)
Ⅰ オープンダイアローグのシステムと思想
1 オープンダイアローグのシステムと実践の基盤(石原孝二)
1 はじめに──7 つの原則の確認
2 西ラップランドでなぜ可能だったのか?
3 日本でオープンダイアローグを阻む3つの障壁
4 日本で何ができるのか、何を目指すべきか
5 ピアサポートとオープンダイアローグ
コラム1 フィンランドの風土とオープンダイアローグ(森下圭子)
1 冬戦争の精神と、戦後の復興
2 気が付けば世界一幸せな国に
3 ヨーロッパの日本、フィンランド
4 森の民と個性
5 フィンランドの風土とオープンダイアローグ
コラム2 障害者運動とオープンダイアローグ(熊谷晋一郎)
1 recovery movement──アメリカの精神障害者運動
2 対話と制度化
3 当事者主導型オープンダイアローグに向けて
II オープンダイアローグと精神科医療・臨床心理
2 オープンダイアローグは日本の精神医療の扉を開くか(高木俊介)
1 はじめに
2 オープンダイアローグとの出会い)
3 日本の精神科医療の行き詰まりとACTの実践
4 オープンダイアローグのシステムと思想
5 ポリフォニーへの道は遠く
6 おわりに
3 ダイアローグ実践の哲学と臨床姿勢(白木孝二)
1 オープンダイアローグの基本的考え方
2 ダイアローグは「対話」なのだろうか?
3 ニード適合型アプローチと自己定義ニード
4 ダイアローグ実践の基本──話を聞くこと
5 ダイアローグのプロセスと、決めるプロセスを分けること
6 ダイアローグ実践におけるセラピストの質問とリフレクティング
7 セラピストに必要な不確実性への耐性の重要側面、カテゴリー分類を避けること
8 「ダイアローグモード」と、「問題解決モード」を分けて考えること
9 オープンダイアローグ実践の二つの捉え方
10 おわりに
4 開業心理相談とオープンダイアローグ(信田さよ子)
1 はじめに
2 当事者から知らされる
3 突破口としての期待
4 家族との先行するつながりと介入
5 OD実施における権力関係
6 ODは楽しい──お任せと一対一からの解放
7 心理劇とのつながり
8 「採算が合うか」という視点
9 おわりに
III オープンダイアローグと地域精神医療
5 地域精神医療とオープンダイアローグ( 下平美智代)
1 はじめに
2 脱施設化の流れの中で
3 家族は重要である
4 「ニーズ適応型治療」との出会い
5 治療ミーティング
6 治療ミーティングを優先的に実践することを支える組織的体制
7 おわりに
6 オープンダイアローグから学んだことをACT の実践に取り入れてみて変化として認識されたこと (伊藤順一郎・福井里江)
1 はじめに
2 本章の方法
3 ACTとはどういうプログラムであるか
4 日本にACTを導入するに際して、何を学び、どのようなことを大切にしたか
5 ODを学び、その際に何がACTと異なると感じたか、どのような特徴をODに見出したのか
6 ACTの臨床にODの対話の要素を導入しようという試みが何をもたらしつつあるか
7 本報告の意義と限界
8 おわりに
7 認知症とオープンダイアローグ(森川すいめい)
1 はじめに
2 「もっと患者さんと話をしなさい」「もっと家族と話をしなさい」
3 輪になって話す
4 即時に会う、現場で会う
5 本人のいないところで本人のことを話さない
6 訪問診療というNeed-Adapted Approach
7 それでも精神科医療が必要なときがあった
8 そして本気の対話が必要なときがあった
9 おわりに
IV オープンダイアローグのトレーニングと実践に向けた試み
コラム3 トレーニングコース(大井雄一)
1 はじめに
2 日本におけるトレーニングコースの紹介
3 海外におけるトレーニングコース紹介
4 トレーナー養成コース紹介
5 結びに代えて──トレーニング体験の振り返り
コラム4 クリニックと訪問看護ステーションを一体化した実践(西村秋生)
1 オープンダイアローグの実践を想定した開設
2 オープンダイアローグを実践するとは
3 「私には怒る権利すらない」
コラム5 精神科訪問看護という、ひととの出逢いかた──オープンダイアローグでつながり深まる世界の中で(三ツ井直子)
1 出逢いの舞台は暮らしの中にある
2 オープンダイアローグとの出逢い
3 聞かれる体験を通じて、主観的世界の中での感情が伝わっていく
4 統合失調症を持つ弟の姉として、精神科訪問看護師として
5 オープンダイアローグと出逢って6年経った今、思うこと
コラム6 琵琶湖病院における対話実践の取り組み(村上純一・山中一紗)
1 はじめに
2 対話実践との出会い
3 当院での対話実践
4 対話実践と出会ってから──私たちには何が必要か?
5 Aさんの事例
6 取り組みを通じた変化
7 おわりに
コラム7 オンライン診療の実態とリモート対話実践プログラム(RDP) (斎藤 環)
1 オンライン診療のメリット・デメリット
2 対話実践への応用
3 リモート対話実践プログラム(RDP)
おわりに──オープンダイアローグとパンデミックと人権 (石原孝二)
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