【書誌情報】 
石原孝二 
『精神障害を哲学する—分類から対話へ—』2018年、東京大学出版会 
ISBN:978-4-13-010137-0 
【目次】 
はじめに 
  第I部 狂気と精神医学の哲学 
第1章 狂気と理性 
   1 古代のギリシアとローマにおける狂気と哲学 
   2 共通感覚の概念 
   3 狂気と理性の他者 
   4 ロックと共通感覚 
   5 カントによる「あたまの病気」の分類の試み 
   6 感覚の錯覚と理性の欺瞞 
   7 他者の視点の取得と共通感覚 
   8 狂気と理性的主体 
第2章 近代の疾病概念と精神医学の成立――精神医学はなぜ常に「遅れている」のか 
   1 シデナムの疾病概念 
   2 存在論的な疾病概念の否定と器官‐機能主義 
   3 局在論者と器官‐機能主義 
   4 病原体理論の確立と存在論的疾病概念 
   5 一八世紀後半以降における狂気の分類体系の整備 
   6 「精神医学」という語の登場 
   7 専門分化と病院――精神医学の専門化は遅れたのだろうか 
   8 クレペリンの疾病概念 
第3章 生物学的アプローチと精神病理学 
   1 脳機能局在論 
   2 脳機能局在論への反応 
   3 ヤスパースと現象学的精神病理学――精神障害をもつ人の経験を理解するとはどういうことなのか 
   4 現象学的精神病理学の展開と限界 
   5 薬物療法と精神病理学 
  第II部 精神障害の概念と分類 
第4章 認知症、統合失調症、自閉症の系譜学――統合失調症と自閉症はなぜ重要な精神障害となったのか 
   1 知的障害と認知症 
   2 統合失調症の概念形成 
   3 統合失調症とスティグマ 
   4 自閉症の系譜学 
第5章 DSMとICD――精神障害を分類する試みの現代史 
   1 ICD‐6における「精神および行動の障害」の章の登場 
   2 DSM‐IとDSM‐II 
   3 DSM‐IIIと記述的アプローチ 
   4 潜在的に生物学主義的な医学モデルと新クレペリン主義 
   5 スピッツァーによる非生物学主義的な医学モデルと精神障害の定義 
   6 DSM‐5とディメンジョナル・アプローチ 
   7 DSM/ICD体系の終焉(?)とRDoCプロジェクト 
第6章 精神障害の哲学――「自然種」と「有害な機能不全」モデル 
   1 精神障害は自然種か 
   2 自然種とボイドのHPC種 
   3 クーパーの自然種概念 
   4 ウェイクフィールドの「有害な機能不全」モデル 
   5 個人化モデルとしての機能不全モデル 
第7章 同性愛と精神障害の概念 
   1 精神障害の定義の諸条件 
   2 同性愛をめぐって 
  第III部 地域精神医療と当事者 
第8章 地域精神医療と対話的アプローチ 
   1 生物・心理・社会モデル再考 
   2 精神病院の位置づけの変化 
   3 脱施設化と地域精神保健への移行 
   4 イタリア・トリエステモデル 
   5 オープンダイアローグ 
   6 オープンダイアローグとニード適合型アプローチ 
   7 オープンダイアローグを支える制度と研究 
第9章 当事者による活動 
   1 Alleged Lunatics’ Friend Society 
   2 ピアサポート/セルフヘルプグループ 
   3 Consumer/survivor運動――解放とケア 
   4 リカバリーの思想 
第10章 当事者研究のインパクト 
   1 「当事者」の概念 
   2 当事者研究の誕生 
   3 当事者研究のコンテクスト 
   4 当事者研究と現象学 
   5 反精神医学と当事者研究 
   6 当事者研究の展開 
   7 当事者研究の意義 
終 章 精神障害と精神医学の行方 
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