タイトル:障害とからだ/知覚の世界
講師:伊藤亜紗(東京工業大学)
概要:
4回目のレクワクは、「障害とからだ/知覚の世界」と題して、わたしたちの「体」に焦点をあてます。この世にひとつとして同じ体はなく、ひとりひとり「体の使い方」や「感じ方」が微妙に違っています。前回の熊谷さんのお話のなかでも、「社会のほうばかり見ていて、体を観察しないと、根拠を失ってしまう」というコメントがありました。今回は、まさにその部分に向き合ってみたいと思います。
前半のレクチャーでは、ケーススタディとして、目の見えない人と吃音のある人の「体の使い方」や「感じ方」についてお話をします。見えない人が視覚を使わないで見る世界はどのようなものなのか、あるいは吃音のある人ならではの言葉の出方や、体のコントロールが外れる感じについてお話します。
それを受けて、後半はグループワークを行います。グループワークのテーマは、「私が敏感/鈍感な感覚」です。「見え方」や「しゃべり方」以外にも、「空腹の感じ方」「麻痺」「痛み」など、自分の気になっている感覚について、まわりの人との対話を通じて深めていきます。感じ方も、「敏感すぎるので鈍感になりたい感覚」や「鈍感なので敏感にならざるをえない感覚」など、さまざまあると思います。グループワーク終了後、話し合いで気づいたことを、ひとりひとりまとめていきます。