このプログラムでは、現代中国を哲学のトポスとして取り上げ、それを三つの側面から論じる。
第一に、ここ十数年の間に大きく広がってきた「儒教復興」という現象を、宗教と哲学の関係から考える。そのためには、現地での調査に加え、「儒教復興」の言説分析を行う。
第二に、一九八〇年代から現在に至るまで、中国の思想界において如何なる哲学的ディスコースが登場してきたのかを考える。それは、いわゆる現代西洋哲学の輸入による「文化熱」から始まり、現在の「カール・シュミット熱」に至るまでの言説分析になる。
一見するとまったく対照的な以上の二つは、一見するとまったく対照的な哲学言説に見えるが、それらは根底においては共通している。どちらも、「中国における古典回帰Classical Turn in China」という同じ運動に属しているからだ。
したがって、第三に、古典回帰という側面から、哲学としての現代中国を論じる必要がある。その際、日本、ヨーロッパ、米国等々のコンテクストで生じている、哲学における古典回帰との比較が重要になる。
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