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2025.05.16

【出版】ジブンジンブン『ジブンの世界はジンブンでできている』(ジブンジンブン社、2025年)

UTCPの研究協力者でもあり、センター長の梶谷先生ともコラボしている「ジブンジンブン」の原田央さんが新たに出版社ジブンジンブンを立ち上げました。その最初の本『ジブンの世界はジンブンでできている』がついに刊行されます。

この度、東京大学OB・OGによる新生出版社「ジブンジンブン」より、初刊行書籍『ジブンの世界はジンブンでできてできている ―わかったことしか書かない哲学者×「研究」に興味がない考古学者×悩めるフィクション研究者―』が刊行されますのでお知らせいたします。

■Amazonでご予約受付中!
https://www.amazon.co.jp/dp/4991368405

■本書について
本書は、UTCPセンター長の梶谷真司先生(東京大学教授)をはじめ、人文学のそれぞれの分野で活躍する三名の研究者へのインタビューおよび鼎談をまとめたものです。

三人の研究者は、どのようにして現在の研究テーマにたどりついたのか。
子どもの頃からの興味、偶然の出会い、ちょっとした寄り道……それぞれのヒストリーをひもときながら見えてきたのは、「ジブン」の関心を掘り起こし、広げ、つなげていく「人文学」のエッセンスでした。

進路選択に迷っている中学生・高校生のあなたも。
何か学びたいけど、何から始めたらいいか迷っている社会人のあなたも。
難解な学問としての「人文学」を飛び出して、ジブンの世界の見方を変える「ジンブン学」へようこそ!
本書が、あなたの日常をほんの少し深く、おもしろくしてくれることを願ってやみません。

■登場する研究者たち
・梶谷真司:わかったことしか書かない哲学者
・折茂克哉:「研究」に興味がない考古学者
・岡田進之介:悩めるフィクション研究者

■目次

まえがき

第一部 わかったことしか書かない哲学者
1:理系をやめて中国哲学志望へ!しかし、まさかの展開が
2:授業を取らない学部生時代
3:ベルリンへ、そして再び京都へ
4:シュミッツとの出会いと「わかる」体験
5:劣等生も悪くない――原点回帰の中国哲学、偶然の民俗学
6:育児書の世界へ飛び込む
7:子どもの哲学からみんなの哲学へ
8:あらゆる分野で初学者だった
9:「入門書」がおすすめではない理由

第二部 「研究」に興味がない考古学者
1:考古学者としてのキャリア
2:博物館のおしごと
3:今一番使っていないのは考古学の知識
4:「自分のやっていることは研究ではない」
5:研究者とアマチュアと
6:好きなことでは生きていかない
7:専門分野という呪縛
8:研究者の専門性
9:これからの研究者に求められること
10:関心が繋がっていく楽しさ

第三部 哲学者と考古学者がフィクションについて考えてみた

1章 迷えるフィクション研究者の卵
1:フィクション研究って?
2:自己紹介
3:『ジョーズ』のサメはなぜ怖い?
4:分析美学とは?
5:あなたの分析美学はどこから?
6:発泡酒と韓国ドラマ――美学研究の出発点
7:「その研究、もう流行らないよ」と言われて
8:なぜ文学でなくフィクションなのか
9:文学で世界を語れるか?――エントロピーの増大
10:大衆映画のフィクションらしさ
(コラム① フィクションにおける感情喚起のメカニズム)

2章 「ムカつく!」から考えるフィクション論
1:俺の感情を雑に扱うな
2:泣けるフィクションと泣かされるフィクションは違う
3:感情というコスト
4:鈴虫とオッペンハイマー
5:「あれ?このつまんない映画、前にも観たな」
6:無音のサメは怖くない
(コラム② 主観的事実とフィクションにおける感情の喚起)

3章 「かっこいい」と「正しい」は似ている
1:フィクションの現代――政治、アート、そしてアーカイブ
2:プロパガンダとどう向き合う
3:ポピュリズムは民主主義の到達点?
4:「かっこよさ」と「よさ」
5:現代アートがやってきた
6:島宇宙ビンジウォッチャーズ
7:映画体験のゆくえ
8:大アーカイブ時代
(コラム③ サメ映画とゴダール)

4章 研究は、富士登山だ!
1:専門家と一般の綱引き
2:富士山歴史観
3:ロマンの功罪――「これが卑弥呼の墓です」
4:ただ関わる、とりあえず関わる
5:研究から自分へ、自分から研究へ
6:七年目の新発見「自分、ハイデガー好きじゃなかったんだ」
7:SF少年、考古学を志す
8:研究をしない考古学者
(コラム④ 「美術」「芸術」「アート」)

5章 無駄なことなんて一つもない
1:大学の先生ってそんなにいいですか?
2:人文学は一人でできる
3:この鼎談を振り返って

終章:鼎談を振り返って
1:梶谷真司『エリートと大衆の間で思考する』
2:折茂克哉『物語/モノ騙り』
3:岡田進之介『「あたりまえ」の裏にある不可思議と驚異』

あとがき
ブックリスト

■書籍情報
タイトル:ジブンの世界はジンブンでできている ―わかったことしか書かない哲学者×「研究」に興味がない考古学者×悩めるフィクション研究者―
著者:梶谷真司、折茂克哉、岡田進之介
出版社:ジブンジンブン
価格:1800円+税
発売日:2025年7月24日

■出版社「ジブンジンブン」について
「ジンブン学をジブンごとに」を合言葉に、人文学のおもしろさを発信するプロジェクト。
2018年、東京大学在学中に結成。同大学の学園祭で、人文学研究の魅力を紹介する展示「ジブン×ジンブン」を出展し、3日間で1500人を動員。
メンバーの大学卒業・就職を経て、2025年より出版社としての活動を本格始動。コンテンツやワークショップを通じて、人文学のエッセンスを日常生活に取り入れる楽しさを伝えている。
メンバーの学生時代の専門は、古気候学、美術史学、比較文学、人文地理学など。UTCPとも連携し、出張授業やイベントを行っている。

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