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Title:

新・シリーズ企画「身体との共生のために 〜21世紀の自己と身体をめぐる対話〜」

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Date:
2025年7月からスタート
Place:
各回の開催概要をご覧ください

シリーズ企画「身体との共生のために 〜21世紀の自己と身体をめぐる対話〜」

 2025年7月から、シリーズ企画「身体との共生のために 〜21世紀の自己と身体をめぐる対話〜」をスタートします。この企画は科研費(23K12596)のプロジェクトと東京大学UTCPとの共催の企画となります。
 
 この企画では、哲学、人類学、社会学、医学、心理学、ファッション、演劇、音楽など様々な専門領域で、「身体」にひろく関連するご研究・ご活動をなさっている方々を、登壇者としてお迎えします。

 登壇者の方々のレクチャーやインタビューを通して、「私たちは自己の身体の他者性とどのように付き合っているのか」、「現代社会に特有の身体観を規定する要素にはどのようなものがあるか」といったことを検討したり、身体に関して現代の人々がかかえる様々な葛藤に対する処方箋を導くような議論をしていきたいと考えています。


企画・進行:山田理絵(UTCP)


〜イントロダクション〜

 この企画では、多様な観点から「身体」について掘り下げていく。様々な領域の専門家に話題提供を行なっていただき、21世紀において「身体との共生」をめぐってどのような現状や課題があるのかを明らかにするとともに、身体についての終わりの見えない葛藤からどのように抜け出せるのか、そのヒントを探っていきたい。

 タイトルである「身体との共生」とは、一見すると不可解な言葉である。私たちは、生まれた時からそれぞれに割り当てられた身体として/とともに/のなかで生きている。やがて死が訪れるまで、私たちは一瞬たりとも身体であることから逃れられないのだから、「共生」というと違和感を覚えるのだ。

 他方で、「わたし」であるはずの身体が、突然「異物」や「他者」のように感じられることも人は日常的に経験している。お腹を壊したとき、新しいスポーツに取り組むとき、大勢の前で発言するなど強い緊張感が生じたとき、新品の靴をはいて歩くとき、服のボタンがキツくなったとき、しわや白髪が増えたなと思うとき。私たちは確かに、身体として/とともに/のなかで生きているが、日常には「わたし」が身体から引き剥がされる経験と、引き剥がされた身体を「わたし」に再統合していく経験にみちている。

 このような身体と「わたし」の隔たりは、ごく微細なものもあれば、人生に決定的な影響を与えるほどに大きいものもある。疾病に罹患することで、他者のように感じたまま、自分の身体とともに生きていかなければならない場合もある。また、化粧、ピアッシング、タトゥーなどの身体装飾・加工は、あえて隔たりを作り出す実践と言えるかもしれない。
 
 さて現代では、テクノロジーの発達により、さまざまなレベルでの身体の可視化や介入が可能となった。加えて近代的な個人化の浸透の中で自己アイデンティティの表現・引き受けの場としての身体への意識もますます高まっている。人は身体との隔たりとどのように付き合い、時に他者性を持つ身体と共生しているのだろうか、この問いについて、21世紀の制度的、技術的、環境的な影響についても考慮に入れつつ深く検討していきたい。


主催:
JSPS科研費「タトゥーの社会問題化とファッションとしてのタトゥーのカテゴリー化実践に関する考察」
(研究代表者:山田理絵、23K12596)

共催:
東京大学大学院総合文化研究科・教養学部附属「共生のための国際哲学研究センター」(UTCP)上廣共生哲学講座


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