Title: | ミカエル・リュケン教授講演会「戦後思想史としての<占領>あるいは<occupation>」要登録 |
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Date: | 2024年4月2日火曜日 17:00-18:30 |
Place: | 東京大学駒場キャンパスI 101号館11号室(EAAセミナー室) |
ミカエル・リュケン教授日本語講演会
戦後思想史としての「占領」あるいは“occupation”
講演要旨:
日本語の「占領」という言葉は、空間的な意味合いを持っている。しかし、英語では“occupation”は時間的な意味も含んでおり、1945年以降、米国占領軍が日本で何をしようとしたのかを正しく理解するためには、そのニュアンスを解明する必要があるだろう。本講演では、思想史の観点からこの概念のプラグマティズム的ルーツを明らかにした後、英語の“occupation”という考え方が日本語に見られるのか、それとも西洋言語に特有のものなのかを検証する。
講演者: ミカエル・リュケン教授 (Prof. Michael Lucken)
フランス国立言語文化大学(INALCO)日本学部教授
日時: 2024年4月2日(火) 17:00-18:30
場所: 東京大学駒場第一キャンパス101号館11号室(EAAセミナー室)・オンライン
講演言語: 日本語
参加申し込み(オンラインのみ要): https://forms.gle/3tSAD9JfXyvQEN1p8
司会: 桑山裕喜子(UTCP特任研究員)
主催: 東京大学大学院総合文化研究科・教養学部附属 共生のための国際哲学研究センター(UTCP)
共催: 東京大学東アジア藝文書院 (EAA)
江戸から明治、そして昭和にかけ、政治制度の改変や西洋学問の吸収と日本の同化に伴い、日本語は著しい数の新しい語彙を生んだ。これら新造語は、ただ増えていったのみならず、それまで自明であった人々の言語感覚を少しずつ変えたり、また逆に翻訳の際に汲み取られずじまいとなった意味やニュアンスをそのままにしてきたりした。
戦後の日本が迎えた「ポツダム宣言」の執行は、米国による日本「占領」として語り継がれてきた。しかしこの"occupation"の和訳「占領」は果たして的を得た訳であったのだろうか。あるいは、米軍の使用した語 "occupation"には何が込められていたのだろうか。「占領」と訳すことで、際立って見えるようになったものと、見えづらくなったものは何だろうか。
戦後日本思想史で重要な役目を果たしたアメリカのプラグマティズムはそこで、どんな役割を果たしていたのだろうか。戦後思想史から改めて日本の現代を読み解くことができるはずだ。芸術・美学・日本思想史研究者・フランス国立言語文化大学日本学部教授ミカエル・リュケン先生による、日本戦後思想史に新しい観点から切り込む渾身の日本語講演。