Title: | UTCPトークシリーズ「傷つくことと慈しむこと」第1回 ~ケアが生まれる「居場所」とは~要登録 |
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Date: | 2023年2月25日(土)16時~18時 |
Place: | Zoom開催(無料・要登録) |
UTCPトークシリーズ「傷つくことと慈しむこと」
第1回 ~ケアが生まれる「居場所」とは~
本トークシリーズではケアをめぐって、様々な領域で研究・実践に携わる方々にお話を伺っていきます。
誰かを気づかいつつ関わるという意味の「ケア」は、私たちの生活のあらゆる場面に関わることでありながら、表立って考えるのがなかなか難しいものです。
今回は「居場所」をキーワードにして、そのケアについて考えます。
居心地のよい場所、自分らしくいられる場所とはどんなところか、そこではどんなケアが交わされているのか、あるいは何がケアを難しくするのか――実践者であり研究者でもあるお二人にお話を伺います。
最近メディアでもよく耳にする「居場所づくり」の活動から、私たちの日常の「居場所」まで、参加者の皆さんとともに考えるような時間になればと思っています。
※ 参加者の方にはチャットで議論にご参加いただけます。
【日時】2023年2月25日(土)16:00-18:00
【場所】オンライン(Zoomミーティング)
【参加方法】参加無料です。以下のURLからお名前とメールアドレスをご登録ください。
https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/meeting/register/tZcpduCgqj8vHtX0US7Iu344dp5Dv8paDMqD
【ゲスト】
阿比留久美(早稲田大学文学学術院、若者協同実践全国フォーラム理事)
荒井和樹(全国こども福祉センター理事長・中京学院大学専任講師)
【企画・進行】
宮田晃碩(UTCP特任研究員)
中川瑛(UTCP研究協力者)
【背景】
・トークシリーズ「傷つくことと慈しむこと」で考えたいこと
トークシリーズ「傷つくことと慈しむこと」の出発点はいわゆる「ケアの倫理」です。その内でも様々な議論がありますが、基本となるのは「人間を自律的な個人として捉えるのではなく、むしろ傷つきやすく、他者に依存して生きる存在として捉える」という観点です。一人ひとりの「傷つきやすさ」を受容し、そのニーズ(物質的にも精神的にも)に応えることに倫理の出発点を見定めるのが「ケアの倫理」です。
これは重要な考え方ですが、そうした倫理の実現は容易ではありません。「傷つきやすさを受容する」ことを妨げる様々な要因が社会にはあります。社会の仕組みがそれを阻むこともありますし、むしろ制度が未整備であることによって、専門的なケアや日常的なケアに携わる人々が見放され疲弊していくということもあります。
そこでこのトークシリーズでは、そもそも「傷つきやすさを受容する」ことはどのように為されるのか、それを支える(ないしは阻む)ものは何なのかについて、あまり考えられてこなかった観点から検討したいと思っています。
・今回「居場所」について考えたい理由
ケアについて考えるにあたり、ケアが交わされる「場所」への注目は欠かせないと思われます。実際のケアにおいても、誰かが心地よく存在することには直接的なケアの行為のみならず、その場所がどんな場所であるかが大きく寄与していると思われます。〈傷つきやすさ〉が受容され自分らしく存在できるというとき、その場所はどのように成り立っているのか。それを考えてみたいと思うのです。「居場所」と呼ばれるところはその意味で(もちろんそれぞれに固有の特質があるはずですが)興味深く思われます。
また「居場所」と呼ばれるところには様々な難しさもあるだろうと思います。「居場所」と呼ばれるところは、少なくとも医療や介護の現場のようにケアを目的としているわけではありませんが、それでも様々な〈傷つきやすさ〉を抱えた人がその受容を願って身を置くところでしょう。〈傷つきやすさ〉とは意味の広い言葉ですが、それはいずれにせよ直視することが難しく、真剣に向き合うことは自他の肉体的・精神的なエネルギーを大いに消費するものです。そうだとすると「居場所」においても、〈傷つきやすさ〉から目を逸らすことは頻繁にあるだろうと思います。「支援者」とされる立場の人の〈傷つきやすさ〉もケアされる必要があります。そんななかでどのように〈傷つきやすさ〉を互いに認めて居場所を作っていくことができるのか、それはどんな力を持つのかということを考えてみたいのです。
【主催】
東京大学大学院総合文化研究科・教養学部附属 共生のための国際哲学研究センター(UTCP)上廣共生哲学講座