Title: | 【関連イベント】道徳心理学コロキアム:第4回ワークショップ『道徳感情の哲学』終了しました |
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Date: | 2013年12月21日(土)13:00-17:20 |
Place: | 東京大学駒場キャンパス1号館120号室 |
13:00-14:00 佐藤岳詩(京都大学)「現代道徳哲学と感情」
G.E.ムーアの『倫理学原理』(1903)に端を発すると言われる英米圏の現代道徳哲学は、分析哲学の作法を中心に据えつつも、意味論や言語行為論、心理学、形而上学などのさまざまな領域にまたがって大きく発展を遂げてきた。本報告では、その展開の中で私たちの感情や情動がどのように捉えられ、どのような役割を担わされてきたかを明らかにする。そして中でも、昨今、多くの支持を集めているA.ギバードらの新感情主義(neo-sentimentalism)の批判的検討を通じて、現代道徳哲学において感情や情動が有しうる含意を論じる。
14:00-15:00 永守伸年(立命館大学)「理性主義と感情主義:道徳心理学における感情研究のインパクトを見定める」
本発表は道徳心理学における感情主義の二つの特徴に注目する。第一に、感情の役割は道徳的判断との関係、それも因果的な関係において問われる傾向にあったこと。そして第二に、感情研究の成果はしばしば従来の哲学的理性主義に対する挑戦の図式において捉えられてきたことである。このような「感情主義」の挑戦のもたらすインパクトを検討するために、本発表は「理性主義」と呼ばれる立場の内実を明らかにしつつ、近年の道徳心理学における感情研究の成果を概観したい。
15:20-16:20 島内明文(東京大学)「ヒュームとスミスの道徳感情説、その社会哲学的含意」
デイヴィド・ヒュームとアダム・スミスの道徳感情説は、哲学史的には、道徳認識論における理性主義の対抗学説と位置づけられる。ここで見落としてはならないのは、ヒュームとスミスが道徳感情説に基づきつつ、ホッブズ・ロック流の社会契約説(ないしは当時の自然法学の思考様式)を批判し、自生的秩序論の先駆となる独自の社会哲学(モラルサイエンス)を構築したことである。本報告では、このような関心から、ヒュームとスミスの道徳感情説について、その社会哲学的含意を考察する。
16:20-17:20 全体討論
オーガナイザー:太田紘史(東京大学) 司会:立花幸司(熊本大学)
使用言語:日本語|入場無料|事前登録不要
※このワークショップの開催は、サントリー文化財団「人文科学、社会科学に関する学際的グループ研究助成」により支援されています。