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Title:

UTCP「共生のための障害の哲学」 第5回研究会「発達障害の診断・概念と社会的状況」

終了しました
Date:
2012年9月13日(木)14:30-17:30
Place:
東京大学駒場キャンパス18号館4階コラボレーションルーム3

UTCP「共生のための障害の哲学」第5回研究会
「発達障害の診断・概念と社会的状況」

講演者:東島 仁(日本学術振興会 特別研究員 PD/大阪大学大学院 文学研究科)
タイトル:診断をめぐる期待と危惧:自閉症スペクトラム障害を持つ子どもの親の意見から

【要旨】
 脳や遺伝子をめぐる研究の著しい発展のなか、自閉症スペクトラム障害の診断に関わる研究への注目も高まりを見せている。本発表では、自閉症スペクトラム障害を持つ子どもの母親が、1.出生直後、2.出生前のそれぞれの時点での自閉症スペクトラム障害の診断の実現に対してどのような期待や危惧を抱いているのか、また診断後に行われるであろう‘治療’について、どのような印象を抱いているのかをインタビュー結果をもとに示す。そして、自閉症スペクトラム障害の診断のあり方や、そのような診断が出現した際に望まれるであろう支援のあり方について考えたい。紹介するのは、自閉症スペクトラム障害を持つ子どもの母親50名へのインタビューの結果である。なお現時点ではそのような診断方法は確立しておらず、出現可能性については議論の分かれるところである。


講演者:浦野 茂(三重県立看護大学 看護学部)
タイトル:社会生活技能訓練場面における発達障害:エスノメソドロジー的記述の試み

【要旨】
この報告では、発達障害者を対象にした社会生活技能訓練(SST)の一場面を事例としながら、どのような形の実践が発達障害の概念にもとづきながら営まれているのか、その一端を記述していってみたい。
  このような課題の背景にあるのは、次のような問題意識である。精神の障害についての社会学、なかでもE.ゴッフマンを嚆矢としつつ、エスノメソドロジストであるJ. クルターらによって積極的に展開されてきた「エコロジカルな進み方」(M.リンチ)は、障害者とその障害を、それらが置かれている社会的状況の組み立てとの不可分な関わりのもとに、捉えてきた。
  ちなみに精神医学的知識やそれと結びついた各種精神療法の実践なども、このような社会的状況の一部を構成している。したがって、障害者とその障害を、このような知識や実践が構成する社会的状況のなかにおいて捉えていくことが上記論者たちによってなされてきたし、発達障害者とその障害についても同様の作業が必要であると思われる。
  このような問題意識のもとで事例記述を行っていくことによって、この報告では、次のような問いについて考えてみたい。発達障害の診断を得た人びとは、この人びとを支援する目的で組織された制度的実践の場において、実際にどのような仕方でこの概念と関わり、またこれに対応しているのだろうか。そして、このような制度的実践の場は、発達障害者に対してどのような制約と可能性を設定しているのだろうか。

司会・コメント:石原孝二 (UTCP)

使用言語:日本語|入場無料|事前登録不要
連絡先:cishi08mail.ecc.u-tokyo.ac.jp (石原孝二)

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ポスターをダウンロード

主催:UTCP上廣共生哲学寄付研究部門「共生のための障害の哲学」(L2)プロジェクト


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