Events / イベント

« 前へ | 次へ »
Title:

「共生のための障害の哲学」第4回研究会 「グレーゾーンの子供/大人たち:発達障害とひきこもり」

終了しました
Date:
2012年9月6日(木)14:00-17:00
Place:
東京大学駒場キャンパス18号館4階コラボレーションルーム1【会場が変更になりました】

「共生のための障害の哲学」 第4回研究会 「グレーゾーンの子供/大人たち:発達障害とひきこもり」

【会場がコラボレーションルーム3からコラボレーションルーム1へと変更になりました。ご注意ください】

講演者:大塚 類氏(青山学院大学 教育人間科学部 准教授)
タイトル:小学校におけるグレーゾーンの子どもたち

【要旨】
発表者は数年間にわたって、公立小学校での学習支援ボランティアを行なっている。現在、その学校の普通学級には、発達障害の診断を受けている子どもだけではなく、発達障害の疑いがあるが診断を受けるまでに至らない子ども、被虐待の疑いのある子ども、養育基盤の脆い家庭で育っている子どもなど、学習面や他者関係にさまざまな困難を抱えている子どもが多数いる。本発表では、こうした子どもたちをグレーゾーンの子どもたちと呼ぶことにする。具体的な事例などに基づきながら、小学校の現状を紹介すると共に、子どもたちの在りようについて考察したい。


講演者:堀口 佐知子氏(テンプル大学 日本校 准教授)
タイトル:グレーゾーンにある若者・大人の「ひきこもり」:自立から共生へ

【要旨】
本報告では、2000年頃から社会問題化されてきた曖昧なカテゴリー「ひきこもり」に対する支援のあり方についての論議を、「障碍/非障碍」および「自立/共生」という枠組みで、人類学的に考察する。2000年以降、若者の「ひきこもり問題」について、政府は支援・評価のガイドラインを発表(2001、2003、2010)し、支援体制が民間機関を中心に整備されるようになり、加えて当事者を中心としたコミュニティ(いわゆる「ひきこもり業界」)が形成されるようになってきた。「ひきこもり」は、基本的には精神障害を含まない状態像とされているの、曖昧さを孕む言葉であることから、「ひきこもり業界」内のアクターにより多様に理解されてきている。従って精神医療従事者・支援者・支援機関・当事者それぞれが抱く「ひきこもり」の回復イメージや、支援・治療・当事者の目指す道筋の方向性は多岐に渡っているのである。また、「ひきこもり」は障碍と非障碍のグレーゾーンにあるため、「ひきこもり業界」では、「ひきこもり」を障碍とすべきという考えと障碍とすることに抵抗を覚える見方が共存している。また、近年は、「ひきこもり」の高年齢化の進行とともに、就労支援等により「ひきこもり」を脱して(経済的)「自立」を目指す方向性を見直し、福祉による支援の充実や、オルターナティブな場の創出により「ひきこもり」として生きられるよう、「共生」を目指す方向を模索する動きも出てきている。本報告ではこのように交錯する「ひきこもり」についての眼差しについて、報告者が2003年以降「ひきこもり業界」界隈で実践してきたフィールド調査や、メディア言説分析をもとに検討することとしたい。

コメント:石原 孝二 (UTCP)
DSM-5ドラフトの自閉症スペクトラム概念

使用言語:日本語|入場無料|事前登録不要
連絡先:cishi08mail.ecc.u-tokyo.ac.jp (石原孝二)

20120906_4rm_poster_r2.jpg

ポスターをダウンロード

UTCP上廣共生哲学寄付研究部門「共生のための障害の哲学」(L2)プロジェクト


« 前へ  |  次へ »
  • HOME>
    • Events>
      • 「共生のための障害の哲学」第4回研究会 「グレーゾーンの子供/大人たち:発達障害とひきこもり」
↑ページの先頭へ