Title: | 第9回認知哲学研究会終了しました |
|||
Date: | 2012年7月28日(土)14:00-18:00 |
Place: | 東京大学駒場キャンパス16号館1階107号室 |
刑法における嫌悪感情の役割と神経科学
講演者:原塑(東北大学大学院文学研究科)
概要:2009年に導入された裁判員制度では、有権者の中から抽選によって裁判員を選び出し、殺人や傷害致死など重大な犯罪に対する裁判に直接関与させている。裁判員は公判に立ち会い、裁判官とともに評議を行い、有罪か無罪か、および有罪の場合にはさらにどの程度の量刑が適切かを決定する役割を担う。一般人は法の専門知を持たず、良識に基づいて判断を下すことになるが、一般人の法的判断の中には、感情による直観的な道徳的判断が含まれていると考えられる。しかし、このような感情による直観的な道徳的判断が妥当かどうかについては、疑問の余地がある。そこで、感情による直観的な法的判断を正当化することができるかどうかを論じることにしたい。この発表では、特に嫌悪感情に基づく法的判断に焦点をあてる。嫌悪感情に基づく法的判断が妥当性をもつと主張する法学者であるパトリック・デヴリン、ダン・カハンによる議論を取り上げ、嫌悪感情に関する心理学・脳神経科学研究を参照しながら、彼らの議論の妥当性を検討する。
世話役:信原幸弘(東京大学/UTCP)
使用言語:日本語|入場無料|事前登録不要