Title: | UTCPレクチャー「ミシェル・フーコーと映画」終了しました |
|||
Date: | 2010年10月15日(金)17:00-18:30 |
Place: | 東京大学駒場キャンパス101号館2階 研修室 [地図] |
前田晃一 (UTCP)
「ミシェル・フーコーと映画」
使用言語: 日本語
入場無料
事前登録不要
UTCP では所属若手研究者による講演会を順次開催いたします.題して「UTCP 研究員による研究発表+議論シリーズ」です.第5回目は共同研究員の前田晃一さんに研究発表をお願いしました.
前田さんの専門はフランス思想や映画論.近著に「ミシェル・フーコーとスペイン」『IBERIA 文学・語学研究』10 号、神戸市外国語大学大学院イスパニア語学・文学研究会、2010 年.があります.
【発表要旨】
ジル・ドゥルーズは「フーコーは、奇妙にも、現代の映画に非常に近い」という。しかしフーコー自身は「映画」について厳密には思考したことはない。フーコーの思考において、絵画は充分な参照体系としての機能を果たしている。『言葉と物』において、ベラスケスの『侍女たち』を通してなされた古典主義時代における表象関係の分析、ルネ・マグリット論として『これはパイプではない』もある。また可視的/不可視の問題、それに伴う言表可能性については、『狂気の歴史』、『臨床医学の誕生』、また『監獄の誕生』といった著作にも通底する「視線の考古学」という枠組みにおいて、問題として提起されている。可視的なものを分析しつつ不可視の表象関係を浮かび上がらせるのが、ある時期までのフーコーの方法だとひとまずは言える。しかし、なぜ絵画であって、映画とともには思考しなかったのか。この不問の身振りを端緒にし、「ミシェル・フーコーと映画」という問題構制において浮上するフーコーの思考の臨界を考察する。
ポスターをダウンロード (PDF, 508KB)