Title: | パレスチナの〈破壊の歴史〉と〈共生の未来〉を語る終了しました |
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Date: | 2010年3月15日(月) と 16日(火) |
Place: | 東京大学駒場キャンパス|18号館4F|コラボレーションルーム3 |
2010年3月15日(月)16:00-18:00
講演:“Jews and Arabs: Intimate Enemies”
会場:東京大学駒場キャンパス18号館コラボレーションルーム3
使用言語: 英語(通訳なし) 入場無料・事前登録不要
2010年3月16日(火)14:00-17:00
対談:「パレスチナとアイヌ、入植と征服の歴史比較」
メロン・ベンヴェニスティ × 上村英明 × 岡田泰平
会場:東京大学駒場キャンパス18号館コラボレーションルーム3
使用言語: 英語(日本語通訳あり) 入場無料・事前登録不要
⇒【報告】メロン・ベンヴェニスティ氏来日講演、進行中/後半に向けて
ポスターをダウンロード (PDF, 310KB)
東京大学グローバルCOE「共生のための国際哲学教育研究センター」(UTCP)では、3月12日〜16日に、イスラエルから著名な政治学者メロン・ベンヴェニスティ(Meron Benvenisti)氏を招聘して、講演やシンポジウムや対談などの企画をもちます。ベンヴェニスティ氏は、イスラエルの占領・入植政策を批判する立場から分析・発言を重ね、近年では明確に一国家論(ユダヤ人国家を否定しアラブ人と一つの国家で共存する)を主張しています。
1982年にベンヴェニスティ氏が始めた「西岸地区データベース・プロジェクト」では、イスラエルがパレスチナのヨルダン川西岸地区内部につくっていったユダヤ人入植地を、人口統計・土地所有・経済流通・建設維持コストなど総合的な観点から分析し、パレスチナの土地が根本から不可逆的に変容を被っていることを初めて明確に示し、大きく注目されました(80年代を通して数多くの資料と分析を刊行)。
また、自身の生まれ育ったエルサレムに関しては、70年代にエルサレム副市長として東エルサレム行政に携わる一方、複数のエルサレム論を著わしています。ユダヤ人としてのエルサレムへの愛着と、「隣人」であり「敵」であるアラブ人との共存の必要という、アンビヴァレントで困難な状況へ向き合う態度はエルサレムで培われてきました。それは「親密なる敵」(Intimate Enemies)という言葉に端的に表れていますが、Intimate Enemies: Jews and Arabs in a Shared Landを刊行した1995年頃には、オスロ合意の二国家分割(ユダヤ人国家とアラブ人国家は別々)の方針に反して、一国家の方向性をベンヴェニスティ氏は示唆しています。2000年以降は、シオニズムの破綻と二民族一国家共存案をいっそう明言するようになりました。
2000年のSacred Landscape: Buried History of the Holy Land Since 1948では、イスラエル建国後に、パレスチナの地名と風景を「ユダヤ的」に改変していった父親たちの功罪を批判的に検証し、大きな反響を呼びました。ベンヴェニスティ氏の父ダヴィッドは、地理学者としてまた教師として、ユダヤ人国家の基礎を築いたことで、国家に顕彰されるほどの人物でしたが、それをつぶさに見てきた息子メロンは、その「偉業」がパレスチナの破壊と収奪のうえに成し遂げられたことを認めないわけにはいきませんでした。
UTCP講演では、ユダヤ人とパレスチナ人との「共生」がいかになしうるのかをテーマに語ります。また、アイヌ研究者である上村英明氏(恵泉女学園大学)との対談では、ベンヴェニスティ氏が取り組んでいる比較入植社会研究の一環として、日本の先住民族の土地への入植、国土化、文化の収奪の歴史経験との対比を試みます。さらに共催企画を二つもつ予定です。
【UTCP共催イベント】
2010年3月12日(金)15:00-20:00、比較都市学国際シンポジウム「都市とユダヤ性」
第一部:15:00-17:30
佐藤貴史「ベルリンの中のユダヤ人、ユダヤ人の中のベルリン」
菅野賢治「バグダード・パリ・モンレアル―ナイーム・カタンの場合」
赤尾光春「東欧ユダヤ人街 (シュテットル) の空間認識論について」
司会 合田正人(明治大学)
第二部:18:30-20:00
メロン・ベンヴェニスティ講演「エルサレム―聖火の都市」(英語/通訳あり)
司会 早尾貴紀(東京大学UTCP)
会場:明治大学駿河台キャンパス大学会館8階会議室
主催:明治大学大学院文学研究科/共催:UTCP
2010年3月13日(土)14:00-17:00、ミーダーン市民講演
「パレスチナの〈ユダヤ化〉─破壊と収奪の歴史を透視する」(日本語通訳あり)
会場:東京麻布台セミナーハウス大会議室
入場料:1000円
主催:ミーダーン〈パレスチナ・対話のための広場〉/共催:UTCP
http://midan.exblog.jp/13720602/