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Title:

【関連イベント】日本思想研究会「大杉栄の共同体論 ― 生の拡充と個の消失」

終了しました
Date:
2009年12月15日(火)15.00-17.00
Place:
東京大学駒場キャンパス101号館2階 研修室 [地図]

発表者:星野太(東京大学博士課程) 司会:西山雄二(UTCP)

本発表では、大杉栄(1885-1923)が1910年代に雑誌『近代思想』などに発表したテクストの検討を通じて、そこから彼の共同体論を抽出することを試みる。大杉は「生の拡充」(1913)において、既存の社会主義における「個人」の軽視を批判しつつ、「個人の生」の充実をみずからの共同体論の中心に据える。しかし他方、大杉における「個人の生」の充実は、「人類の生」の拡充という目的性に結びつけられているという点を見過ごしてはならない。つまり大杉の共同体論は、一方で「個人の生」を重視するという立場をとりながらも、より包括的な「生」という審級の導入によって、個が消失するというモメントを含みもってしまっている。本発表ではそのような大杉の共同体論を批判的に検討するとともに、「翻訳的社会主義者」を自称する大杉が直面した思想形成上の困難についても論じることにしたい。

〈参考文献〉『大杉栄評論集』(飛鳥井雅道編、岩波文庫、1996年)

入場無料、事前登録不要

日本思想研究会について
本研究会は、西山雄二(UTCP)、岩崎正太(同)、星野太(東京大学博士課程)、井出健太郎(東京大学修士課程)によって運営される。近代日本の思想家とその基本テクストを毎回取り上げ、その丹念な読解と批判的な注釈を目的とする。運営者には近代日本思想のいわゆる専門家は含まれておらず、それゆえ、研究会はいくぶん入門的な内容をも含むものであり、関心のある方は誰でもその都度参加自由である。


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