Title: | (非)人間化への抵抗:リオタールによる「発展の形而上学」批判終了しました |
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Date: | 2008年11月12日(水)16:20-17:50 |
Place: | 東京大学駒場キャンパス 8号館323教室 [地図] |
発表者:星野太(東京大学大学院総合文化研究科)
※どなたでも参加可能です。
※使用言語:日本語 入場無料、事前登録不要
【趣旨】
人間主義/非人間主義という対立図式が、20世紀後半の思想史における大きな争点のひとつであったことはよく知られている。アルチュセールやラカンによって打ち立てられた「非人間主義」の理論的土台、「人間の消滅」を示唆する『言葉と物』(1996)の一節(フーコー)、また彼らを含めた同時代の思想家たちに対する批判(フェリー=ルノー)などは、そうした巨大な問題系を構成する顕著な例として理解することができるだろう。
本発表では、1980年代におけるジャン=フランソワ・リオタール(1924-98)の仕事を、そうした「人間主義/非人間主義」という枠組みそのものを問い直す作業として提示することにしたい。というのも、『非人間的なもの』(1988)の序文で示唆されているように、人間主義/非人間主義という単純化された図式においては掬いとれない「非人間的なもの」の二面性を浮き上がらせることこそ、この時期におけるリオタールの主要な課題のひとつだったからである。そしてこの「非人間的なもの」という概念の両義性は、リオタールが「発展の形而上学」と呼ぶシステムを批判的に思考するための主要な回路でもある。本発表ではこうした見通しのもと、彼の文学論、芸術論にも通底する「発展の形而上学」批判の一端を明らかにしていくことにしたい。
(中期教育プログラム「時代と無意識」+短期教育プログラム「歴史哲学の起源―コスモロジーとエスカトロジー」共通イヴェント)
⇒【報告】